レンタルした店舗と違う店舗に返却できるレンタカーの乗り捨てサービス。
出発地点に戻って返却する必要がないので、旅行や出張などで一方向の移動で利用するのに大変便利です。
そんなレンタカー乗り捨てサービスですが、メリットばかりではありません。デメリットもふまえて検討、利用するようにしましょう。
レンタカー乗り捨て(ワンウェイ)サービスとは
レンタカー乗り捨てサービスとは車を借りた店舗とは違う店舗で返却することができるサービスのことです。例えば京都で車を借りて大阪で返却するようなシステムのことを言います。
通常レンタカーは店舗で手続きを行ってから車を借り、使った後はその店舗で返却するのが大前提です。
自宅近くの店舗を利用するならこの基本システムでもとくに問題はないわけですが、旅行先や出張先では不都合が生じるケースも出てきます。「わざわざ借りた店舗まで戻って返さなければならない」といった面倒もあるわけです。
そこでそのレンタカーを展開している業者の別の店舗でも返却できる形にしたのが乗り捨て(ワンウェイ)サービスなのです。
主だったところでは以下の会社がサービスを提供しています。
店舗数の多い大手はほぼやっていますし、他にも観光地の沖縄拠点のOTSレンタカーなんかも乗り捨てサービスを展開しています。
レンタカー乗り捨てサービスのメリット・デメリット
メリット
そんなレンタカー乗り捨てサービスのメリットと言えばやはり何と言っても「わざわざ借りた店舗まで戻って返す必要がない」点です。このメリットは2つのポイントがあります。
長距離移動に利用しやすい
まず長距離を移動したいときに利用しやすい点。
通常のレンタカーのシステムでは借りた店舗で返却する必要がある以上、中距離の移動にはあまり適していません。一日の間に長い距離を車で移動したいときには向いていないのです。
しかしこのレンタカー乗り捨てサービスだったら一方通行の移動でも利用でき、移動先の店舗で返却することも可能です。例えば自分たちだけで荷物を運んで引っ越しをしたいときなどにも適しているでしょう。
返却時の手間が省ける
もうひとつのポイントは面倒が省ける点です。
一日レンタカーを利用した後にわざわざ借りた店舗にまで戻るのが面倒な時に近くにある店舗で返却することができる、または移動ルートの都合で途中で車を別の店舗で返却した後に帰りは電車で帰る、といった融通の利く使い方ができるようになります。
デメリット
レンタカー乗り捨てサービスのデメリットは大きく2つあります。
便利な場所に返却できる店舗がない可能性
ひとつは、返却できる店舗があることが大前提になることです。
乗り捨てサービスを提供しているレンタカー会社でもすべての店舗でサービスに対応していません。移動先に乗り捨てサービスとして利用できる店舗がないと当然利用できないのです。
乗り捨てサービスを利用しようと思ったけどそのためにはわざわざ遠回りして返却できる店舗まで移動しなければならない、ではあまりメリットがなくなってしまうでしょう。
料金が割り増しになる
それから借りた店舗で返却する場合に比べて料金が割り増しになってしまう点もデメリットです。
業者としては車を移動させるなどの手間がかかるわけですから当然と言えば当然ですが、利用する側は便利になる分割高な料金を支払う必要があるわけです。
とくに旅行などで長距離の移動で利用する場合には鉄道を使った方が割安で済むので良い面があるのは否定できません。
レンタカー乗り捨てサービスの注意点
注意点としてはデメリットともかかわってきますが、自分が移動するエリアが乗り捨てサービスに対応しているかどうかを確認しておくことが大前提です。
利用する業者の店舗があっても対応していないこともあるので注意しましょう。
それから乗り捨てサービスは原則として事前申し込みのうえで行います。急に思い立って「わざわざ借りた店に戻るのは面倒だから別の店舗で返却しようか」といったことはしにくいので要注意、事前にどの店舗で返却したいかを指定したうえでの利用となります。
ですから移動先で急に行先が変更になったので乗り捨てサービスを利用する、といったことも難しいことになります。
レンタカー乗り捨てサービスの利用におすすめのケース
このようにあらかじめ申し込んで返却する店舗を指定してうえで利用するのを前提にして賢く利用していくことになります。
おすすめのケースとしては自宅近くで借りて別の場所で返却するのではなく、逆のパターンで目的地でレンタルして自宅近くの店舗で返却する方法が挙げられます。
例えば買い物に行くとき、行きは電車を使い、帰りはその店舗の近くにある店舗で車を借りて購入した荷物を運んでから自宅近くの店舗に返却する方法です。
旅行でもこうした使い方は可能でしょう。行きは電車でいいけど、帰りは車でのんびり帰りたい、または荷物を運ぶ面倒を避けたい場合におすすめです。
旅行先の空港で車を借りて一日ドライブを楽しんだ後に宿泊先近くの店舗で返却するといった利用方法も挙げられるでしょう。ただこの場合は店舗が近くにあるような観光地であることが前提になります。
まとめ
このようにレンタカー乗り捨てサービスは非常に便利な面がある一方、利用の上で制約が多い点もあります。
これからサービスが向上していくことも予想されますが、基本的にはあらかじめ返却先の店舗の指定も含めて予定を立てたうえでの利用が前提になること、料金が割り増しになっても利用する価値があるかどうかをよく見極めてから利用することなどのポイントをよく踏まえておく必要がありそうです。
とくにサービスに対応しているエリアをよく確認したうえでの利用が欠かせないでしょう。