カーリースとは、簡単に言うと、カーリース会社がユーザーに新車を賃貸しするサービスです。
ユーザーは決められた料金を月々支払いますが、その料金が月額1万円や2万円と非常に低額なので、自分で購入するよりもはるかにお得に新車に乗れるとして人気になっています。
便利なカーリースですが、あくまでユーザーはカーリース会社から車を借りて使わせてもらっていることに注意する必要があります。要は賃貸ですから、場合によっては返却時に多額の費用が発生することもあります。
余計な費用を支払わなくてもよいように、カーリースでどのようなトラブルが起きがちなのかを知っておきましょう。
契約満了・返却時のトラブル
カーリースとは、カーリース会社と契約して、その契約条件や期間の範囲で新車を使えるというサービスです。契約期間が終了したらカーリース会社に車を返却するか買い取り、もしくは再リースの契約をします。
つまり、月々利用料金を支払ってレンタルで車を使わせてもらっているということです。ですから、自分で購入した車ならどんな使い方をしても自由ですが、カーリースの車はあくまでカーリース会社のものなので、使い方に制限があります。その一つが走行距離の制限です。
カーリースの車の場合、好きなだけ乗れることはまずありません。なぜなら、カーリース会社としては、契約が終わって返却された車をまた別のユーザーに貸すことによって利益を上げているからです。
たとえば、1人のユーザーに10〜20万キロも走られてしまうと、その車の価値はほとんどなくなってしまうため、カーリース会社としてはたまったものではありません。そのため、どこのカーリース会社でも、自由に乗れるのは1ヶ月に500〜2,000キロぐらいと決まっています。
その制限を超えて走った場合、超過料金が発生します。カーリース会社によって違いはあるものの、だいたい超過距離1キロ当たり5〜10円の料金が発生すると思ってよいでしょう。
ですので、借りてしまえばこっちのものと思って調子に乗って何万キロも走ってしまうと、契約終了時に何十万円もの超過料金を支払わなければならなくなることもあるのです。お得に新車に乗れるのがカーリースのメリットですから、こういうことがもとでトラブルになることのないように注意しましょう。
また、走行距離以外でも車の価値が下がるような使い方をすると、追加料金が発生してしまいます。
たとえば車体にキズやへこみを作ってしまった場合、修復して返却したとしても価値が下がったとみなされて、追加料金が発生することがあるので注意が必要です。
中途解約時のトラブル
カーリースでお得に新車に乗れるのは、3年や5年など契約期間が長いからです。つまり、36か月や60か月もの期間、毎月費用を支払い続けるため、1か月当たりの出費が少なくて済むようになっています。
ですから、契約期間の途中で返却したいと思っても、自由に解約できないことがほとんどです。
カーリース会社としても、3年や5年もの長期間貸し出すことで儲けを出すわけですから、短期間で返されてしまっては商売になりません。ですから、中途解約は基本的にできないと考えてよいでしょう。
それなのに中途解約したいと無理を言うと、トラブルになることは容易に予想できます。もちろん都合が悪くなって契約を続けられなくなることもあるでしょう。海外出張や長期入院などがあっては、車に乗り続けることができない以上、中途解約せざるを得ません。
しかし、ただで中途解約できるとは思わないでください。カーリース会社に事情を汲んでもらって中途解約が認められたとしても、現在の車の価値と最初に設定した残価の差額など何らかの追加費用を請求されることは確実です。しかも、その費用は一括で支払わなければなりません。
ですので、よほどやむを得ない事情がない限り、中途解約することのないように注意しておきましょう。
車両故障時のトラブル
車を使っているうちに故障することもあるでしょう。この時に注意しなければならないのが、カーリースでは修理工場があらかじめ指定されていることがあることです。
勝手に修理してしまうと契約違反として違約金を請求されることもあります。そんなことでトラブルにならないように、故障がわかった時点でただちにカーリース会社に連絡して、どう対処すればよいか指示を仰ぎましょう。
ただ、先ほども述べましたが、故障を修理しても、そのせいで車の価値が下がったと判断されれば、最初に設定した残価との差額を追加で支払わなければならないこともあります。
カーリースの車はくれぐれも大切に扱ってください。
まとめ
カーリースはお得に新車に乗れる便利なサービスですが、お金にまつわるトラブルも起きがちです。
上記のことを注意しないと、購入するよりもかえってお金がかかったなんてことにもなりかねません。
といっても、ふだんから車を大切に扱っていれば大きなトラブルに発展することはありません。念のためこういうトラブルがあるとだけ理解しておきましょう。
