初期費用や維持費を抑えられるなどのメリットがあるカーリースは、近年ニーズの拡大を見せています。
カーリースは、「車は買うもののではなく借りるもの」という車の持ち方の新しい概念を生み出したサービスとも言えるでしょう。「車は高くて買えない」という人にとっても、新たな選択肢の一つとなっています。
このようにコスト面をはじめ様々なメリットが期待されるカーリースですが、一方で注意すべきデメリットも押さえておく必要があります。
利用するために審査がある
カーリースを利用する場合は、契約を結ぶ際に審査をクリアしなければなりません。
どういうことかと言うと、カーリースには、年単位で契約期間が存在します。基本は2年や3年ですが、長期契約になると5年というものも。
そしてカーリースはレンタカーなどと違ってリース契約を結ぶこととなり、契約期間を締結中は使用料を支払わなければなりません。そのため、リースを行う会社は、借り手に支払い能力があるかを審査するのです。
審査内容は、職業や雇用形態などが基本。主婦の場合は、配偶者の審査も行われます。またアルバイトなどの場合は、連帯保証人を立てることで審査を受けられるケースもあります。
もしもローン返済や債務整理などがあった場合は、信用情報機関で調査をされることもあります。過去に経済的なトラブルがあった場合は、慎重に審査されるため、契約が締結できないこともあるので注意が必要です。
またリース代の支払いを滞らせた場合は、連帯保証人に代金の請求が求められます。そのため借り手は、支払いの遅延などがないようにしなければなりません。
原則途中解約できない
カーリースでは、基本的に契約期間中は途中解約が認められません。
契約内容についても、契約期間中の変更はできません。契約期間中は、決められた契約に則った利用や料金の支払いに応じなければならないのです。
もしも途中解約を行う場合は、未払いとなっているリース料などをまとめて支払う必要があるため、高額な出費が発生することになります。
契約期間中に交通事故などを起こし、車が修理不能や廃車になった場合も同様です。契約は強制解約となり、残金を一括で請求されることになるので、多額のお金が必要となることを覚えておきましょう。
このようなリスクを防ぐため、リースであっても任意の車両保険に入っておくことがおすすめです。任意保険はリース契約終了後別の車に乗り換える場合も、引き継ぎが可能です。
近年ではカーリース需要の増加によって、リース契約向けの保険なども存在します。カーリース業者が保険を取り扱っている場合もあるので、リース契約を結ぶ前に、保険会社や販売店と相談しながらリスクに備えましょう。
車のカスタマイズができない
長期間所有していても、車はあくまでもリース会社のものです。契約満了を迎えて返却する時は、借りた状態で戻す必要があります。
そのため、車を自分が乗りやすいようにカスタマイズすることは原則できません。
ちなみに、場合によっては、カスタマイズが認められる場合もあります。例えば純正オプションでの変更。
カーリースでは、特に指定していない場合はオプション未設定の状態で納車が行われます。しかし、メーカーやディーラーが設定しているオプションや装備であれば、カスタマイズが許可される場合があります。
一番良い方法は、契約前の段階で、事前にオプションの内容に目を通しておくことです。実際に納車した後にカスタマイズの必要を感じた場合は、リース会社に相談してみましょう。
ほかにも、リース会社が安全に車を使用するためと判断した場合もカスタマイズが許可される場合があります。たとえば身体的な事情で、通常の状態では車の利用に不便や危険が生じる場合。このような状況においては、オプション設定が可能となるケースもあります。
ただしカスタマイズを行うときは、勝手に判断するのではなく、事前にリース会社と相談してから進めていきましょう。
走行距離に制限がある
カーリースの車は、走行距離の上限があらかじめ決められています。
走行距離をオーバーしてしまうと、精算金が発生してしまいます。
走行距離の上限が短い方が、リース料は安くなります。しかし広告などでは、価格を安く見せるために走行距離の上限を短く掲載している場合もあるので注意が必要です。
短い走行距離で契約した場合、少し遠出の旅行や出張をしただけで、あっという間に上限をオーバーしてしまいます。契約の際には、車の使用頻度や休暇中の使用なども考慮して、おおよその走行距離を算出しておくことが大切です。
自分のライフスタイルに近い走行距離を設定しておくことで、余計な出費を抑えることができるので、事前に必ず確認しておきましょう。
まとめ
維持費や初期費用などを抑えることができるカーリースですが、思わぬところで出費が発生する可能性も。
また、メンテナンスやカスタマイズが好きな人や、走行距離が極端に長い人などは、カーリースに向かない場合もあります。
これらのデメリットを踏まえ、予想される費用などを算出して、慎重に検討して契約を結びましょう。