マツダという自動車メーカーは、日本ではクルマ好きの一部には愛されているものの、一般的にはどちらかというとマイナーなイメージがあるのではないでしょうか。
ところが、北米やヨーロッパなどでは、走行性能、乗り心地、デザインなどさまざまな面で非常に高く評価されており、特に人気のある日本の自動車メーカーの一つに数えられています。
また、マツダの技術の高さが光るクリーンディーゼルエンジンの分野でも評価が高いです。
そんなマツダについて、ブランドの概要や特徴を紹介するとともに、燃費性能に優れたクルマについても代表的なモデルを見ていきましょう。
ブランドの概要
マツダの創業は1920年と古いですが、他の日本を代表する自動車メーカーと異なり、創業時はコルクの生産を行うまったく畑違いの会社でした。
それが、戦争中に軍の工場として機械部品を製造することになり、その流れから自動車製造も手がけるようになったのが自動車メーカーとしての始まりです。
コルク事業は第二次大戦中にすでに売却し、戦後はもっぱら自動車メインでやってきました。
このように、独特の経緯もあって、他のメーカーよりも独自性のあるクルマ作りにブランドの特徴が見られます。
特徴
統一性が図られたデザイン
マツダのクルマと言えば、外国車のようなシャープで洗練されたデザインが特徴です。
とりわけフロントグリル周辺のデザインが特徴的で、全モデルに共通のデザインが採用されています。ひと目見ただけで、誰もがマツダのクルマだとわかるデザインです。国産車のデザインに飽きたという方も、マツダ車なら魅力を感じるのではないでしょうか。
このように、自社内でデザインの統一性を図ることによって、ブランドイメージを強固にしているのがマツダの戦略です。
同じような戦略はマツダだけでなく世界のメーカーが取り組んでいますが、なかでもマツダ車特有のデザインが世界的に広く受け入れられていると言って良いでしょう。
マツダ車のデザインは、シンプルだけどシャープさがあり、力強さも感じさせるということで、国や地域の違いにかかわらずどこでも高く評価されています。こういうデザイン性の高さで勝負できるのは、今のところ国産メーカーではマツダだけではないでしょうか。
ここに、マツダの最大の特徴が表れていると言えます。
クリーンディーゼルエンジンの開発に注力
マツダのもう一つの大きな特徴が、クリーンディーゼルエンジンの開発に力を入れていることです。
ディーゼルエンジンは日本では環境に悪いとして避けられる傾向があり、ディーゼルエンジン搭載のクルマは一時期はほとんど絶滅状態にあったほどでした。
ところが、クリーンディーゼルエンジンという環境性能の高い新しいディーゼルエンジンが開発され、特にヨーロッパでは全自動車の販売台数の半数ほどを占めるに至っています。
マツダは、日本のメーカーのなかでも最もクリーンディーゼルエンジンに積極的に携わっているメーカーと言えるでしょう。
クリーンディーゼルエンジンの魅力は、CO2の排出量がガソリンエンジンよりも少なく、またガソリンエンジンよりも燃料代が安いのにトルクが太いところです。ガソリンエンジンとは燃料を燃焼させる仕組みが異なっているため、ガソリン車よりもスムーズな加速が味わえます。
ガソリンではなく軽油が燃料として使用されますが、軽油の値段はガソリンよりもリッター当たり10円ほど安いため、同じだけ給油すると考えると、ガソリン車よりも燃料代が大幅に節約できるのがメリットです。
排気ガスが問題視されていたディーゼルエンジンですが、クリーンディーゼルエンジンの開発により99%以上黒煙をカットすることができ、エンジンの振動対策も進んだため、騒音問題も克服されています。昔のディーゼルエンジン車と比べると、信じられないほど静粛性が高まっていると言えるでしょう。
マツダの開発するクリーンディーゼルエンジンは、厳しい排ガス規制もクリアする優秀なエンジンとして高く評価されています。
ロードスターの存在
マツダの特徴としてもう一つ外せないのが、ロードスターの存在ではないでしょうか。
ロードスターとはオープンタイプの2シーター軽量スポーツカーですが、1989年に初代モデルが登場して以降、世界中で大人気モデルとなっています。
2000年には、ギネスブックに世界一生産される2シーターの小型オープンカーとして掲載されました。
2015年に登場した4代目モデルが最新モデルですが、初代から変わらぬコンセプトで老若男女に愛されています。
燃費のいい車種
マツダのなかでも特に燃費性能に優れているのが、軽自動車のキャロルです。
スズキ・アルトのOEMモデルですので、アルトが低燃費なのと同様に、キャロルの燃費も27.2〜37.0km/L(JC08モード)とかなりの燃費性能を示しています。
もう一つは、2018年に全面改良して登場したフレアワゴンです。
居住性、快適性、それに安全性が強化されたのと併せて、マイルドハイブリッドシステムが全機種に搭載されて、30.0km/L(JC08モード)という低燃費を達成しました。