MPVの車種情報。燃費やデザイン・乗り心地

calendar_today 2020/09/28

MPVはマツダがかつて製造・販売していた乗用車です。残念ながら2016年に販売を終了、現在では歴史と中古車市場においてのみ名前を残す存在になっています。

しかし現在でも高い評価を得ており、マツダらしい特徴や魅力を備えた点が多くのファンの間で語り継がれています。

なお海外への展開も行っており、とくに2006年に行われた3代目のマイナーチェンジ移行は中国やシンガポール、マレーシアなどへ積極的に輸出しており、海外でも高い評価を得ていました。

一般的な特徴としてはデザインよりも走行性とユーティリティの両立を目指した内容となっており、この点でも「マツダらしい」車種と言えるでしょう。

MPVの特徴

このMPVの特徴を挙げるなら2006年に行われた3代目のマイナーチェンジ「LY系」が発表されたときに掲げられた「スポーツカーの発想で、ミニバンを変える」がもっともわかりやすい例として挙げられるでしょう。

ミニバンとしての基本をひととおり備えつつ、スポーツカーとしての走行性や機能、さらに「走らせる心地よさ」を重視した内容となっており、これはMPVの歴史全般を通して共通していました。

ミニバンである以上、走行生はもちろん、収納性や快適性も重要になってくるわけですが、この点ではマイナーチェンジを進めていくにつれて大型化を進めつつ、快適な乗り心地、コンパクトなイメージとの両立を目指していた点が特徴として挙げられるでしょう。

なお、3代目のLY系におけるデザインのコンパクトは「刀の研ぎ澄まされた質感」でした。大型で社内は快適に過ごせるスペースを確保しつつ、外面は研ぎ澄まされた印象を見る者に与える、デザインコンセプトにあったデザインをしていた点は特徴でもあり、評価すべき点でもあるのでしょう。

マイナーチェンジの結果最終的には8人乗りになり、セカンドシートでは左右に分かれたキャプテンシートを中央に寄せることで3人掛けも可能になっています。

また5人乗りの形で収納をたっぷりと確保することもでき、5人分のゴルフバッグも楽々収納できるなど荷物がかさばりやすいレジャーでの使用にも適していました。

歴史

初代のLV系が発売されたのは1988年、じつは北米向け専用車として生産が開始された経緯があります。

国内で販売が開始されたのはその2年後の1990年。その後に1999年に2代目としてLW系が登場、この時点でリアドアが両側ともスライドドアに、駆動方式がFFになるなど大幅なユーティリティの向上が図られました。

そしてこれまで何度か触れた3代目のLY系は2006年に登場、結果的にこれが最後のチェンジとなりました。

大きな特徴としては燃費の向上が図られた点で、全モデルにおいて平成17年(2005)の基準における排出ガス75パーセント低減レベルと平成22年度(2010)年における燃費基準のプラス5パーセントを実現している点が挙げられます。

その後何度か仕様の変更が見られましたが、2016年に販売が終了し、マツダの公式サイトからも削除されその歴史に幕を閉じました。

なお、MPVとは「Multi Prepose Vehicle」。「さまざまな目的で使う乗り物」といった意味です。

MPVの燃費

燃費は当然車種によって異なりますが、当然LT系が優れており、「LY3P」の4ATレギュラーで「12.2km/L」、同じくLY3Pの6ATレギュラーで「10.4km/L」となっています。

全体的な燃費への評価はそれほど高くありませんでしたが、車の性能や後述するコーナーリングなどの乗り心地を考慮すれば十分納得できる数値と言えるでしょう。

デザイン

エクステリア

エクステリアのデザインでは先述したデザインコンセプト「研ぎ澄まされた」印象を前面に押し出しつつ柔らかな曲線を採用することで洗練された雰囲気を引き出すことに成功しています。

それでいて走らせれば力強い印象もある、ミニバンが好きな人にとっては魅力あるデザインとなっているかもしれません。

ただその一方で走行性とユーティリティを重視する姿勢からかそれほど際立った個性や特徴はなく、全体的にスタイリッシュながら無難にまとめた観があります。

インテリア

インテリアに関してはブラックを基調とした重厚感と落ち着きを感じさせる印象が特徴となっています。

シートはサンドベージュ色など高級感と馴染みやすさの両方を備えたスエード調を採用するなど長時間の利用でも快適に過ごせる環境づくりへの配慮が見られます。

ドライバー席周辺はシックかつスポーティな雰囲気を醸し出しているのも大きな特徴で、こちらも飽きがこない、そして長時間乗っていても心地よく運転を続けられる配慮が見られます。

車高が低めでコーナーリングに安定感がある点が高く評価されており、一般道でもロールが少ないなどストレスなく乗れるなど乗り心地に関しても高い評価が見られました。

一方でやや硬めな乗り心地を指摘する声もあり、それがむしろデザインコンセプトの「研ぎ澄まされた」面を強調し、スポーティな魅力を引き立たせているとの評価もありました。

マツダと言えば個性を重視する自動車メーカーとして高い評価を得ていますが、このMPVもミニバン市場において異色の存在として独自の存在感を発揮していました。現在でも生産終了を惜しむ声は少なくありません。

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