対物賠償責任保険とは?加入しておいたほうがいい?

calendar_today 2020/09/16

対物賠償責任保険とは?加入しておいたほうがいい?

自動車を運転していて、他人の車に衝突してしまった、家の塀を壊してしまったという場合は、車や塀に対して賠償責任を負わなければなりません。

任意保険に加入している場合、対物賠償保険を使って補償を行います。

基本的に、自動車の任意保険では、対人賠償責任保険と並んで、対物賠償責任保険にも加入するようになっています。

車を運転する上では、補償内容や補償範囲などを押さえ、もしもの場合に対する十分な備えをしておく必要があります。

対物賠償責任保険とは

対物賠償保険の基本は、「物」に対する補償です。

交通事故によって他人の財産に損害を与えてしまった場合、保険が適用されます。他人の車はもちろんですが、家屋もあてはまり、道路上のガードレールや信号機なども含まれます

そのため、ブレーキとアクセルを踏み間違えて店舗に追突した場合や不注意により道路の電柱に車をぶつけた場合なども適用されます。

ちなみに、対物賠償責任保険の範囲となるのは「他人の財産」の損害に対してのみです。

そのため、自宅の車庫に駐車中、車庫の壁に車をぶつけた場合は補償されません。こういったケースは、運転者が任意で加入している車両保険が適用されます。

また、竜巻で車が飛んでしまい、他者の車を壊してしまったというケースも補償の対象になりません。これは自然現象によって生じた損害であるため、個人に賠償責任が生じないためです。

このような点から、対物賠償責任保険は、あくまでも他人の財産の損害に対して補償するものであるとわかります。自分の自動車の損害については、別途保険に加入しなければならないので注意しましょう

自賠責は対人賠償だけ

自動車を運転している人は、自賠責保険の加入が義務付けられています。

事故を起こした際に、相手が死亡、あるいは後遺症やケガがある場合、自賠責保険で上限額まで補償されます。そして、この上限額でも補償できない場合は、任意で加入する対人賠償責任保険が適用されます。

このように、自賠責保険では対人に対する賠償が対象となっています。対物事故に関しては、補償の対象外となってしまうのです。

そのため、対人賠償責任保険に未加入の場合は、事故によって車やガードレールなどを壊したならば、その賠償は全て実費で賄わなければなりません。

対人事故については相手の被害によって賠償金額が変わりますが、対物事故については物が受けた損害によって決定します。

少額で済むのであれば、実費負担によって賄えてしまうかもしれません。しかし、もしも高級車に追突してしまった場合、その金額は大きくなってしまうでしょう。また、バスやタクシー、店舗など、利益を生み出す車両や場所に被害を与えた場合も損害額は大きくなります。

このような点も踏まえて、対物賠償責任保険に加入しておくことは大切なことなのです。

補償金額の上限は、契約時に決めた金額となります。500万円や1000万円など上限額を決めることもできますが、無制限に設定することもできます。

上限額によって保険額は変わってきますが、もしもの場合を考えると、幅広い事故に対応できる補償金額が無制限の対物賠償責任保険に加入しておくことが大切です。

対物賠償責任保険の補償内容と範囲

対物賠償責任保険は、物だけでなく、間接的な損害についても補償の対象となります。これを間接損害といいます。

対義語となる直接損害とは、これまで述べたような、相手方の車や建物、道路の修理費、レッカー代など、事故によって発生した損害を補償したものです。

一方、間接損害というのは、本来ならば得られた利益であったにも関わらず、事故によってその機会を失ってしまったものです。

例としては、バスやタクシーといった商業用車両の利益補償、店舗などの商業施設の利益補償などが挙げられます。本来ならばお客さんの利用によって利益を得られる物なのに、事故によってその機会が失われることで、得られる利益がなくなってしまいます。

こうした損害についても、対物賠償責任保険は補償の対象となっています。

ほかにも営業補償や壊れた商品の補償、従業員の給与などを含めると、補償金額は莫大な金額になってしまいます。

対物賠償責任保険において、相手に支払うのは、自分自身の過失割合に相当した金額になります。

対人事故同様、対物事故においても、事故を起こした加害者のみに過失があるとは限りません。相手がわき見運転をしていた場合などは、相手にも過失割合が存在します。

このような場合は、損害額から相手の過失割合を差し引いた分が、自分の過失として支払う分となります。

つまり、相手の損害額が500万円であっても、過失割合が50対50の場合は、250万円を賠償金として支払うという形になります。

まとめ

ひとくちに対物事故と言っても、事故の状態や規模によってさまざまです。

けが人が出ることもなく小さな修繕で対応できるものから、高額な賠償額が発生するケースも存在します。

対物賠償保険に加入する際は、このようなさまざまなリスクを考慮した上で、加入を考えることをおすすめします。

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