カーシェアでもチャイルドシートは必要?主要各社の対応状況も

calendar_today 2020/06/18  refresh 2022/03/25

カーシェアでもチャイルドシートは必要?主要各社の対応状況も

自家用車やセカンドカー代わりに、カーシェアを利用するファミリー層が増えています。

子育て家庭に出てくる、郊外へのお買い物や子どもの送迎などの用事に、気軽に短時間の利用ができるカーシェアは使い勝手がいいです。

しかし子どもがいる家庭で気になるのが、チャイルドシートカーシェアにおけるチャイルドシートの位置づけは、どのようになっているのでしょうか。

カーシェアでもチャイルドシートの着用は義務

そもそも、チャイルドシートは6歳未満の子どもに着用しなければならないと道路交通法に定められています。これは自家用車だろうと、カーシェアだろうとレンタカーだろうと変わりません。

5歳までの子どもをチャイルドシートを使わずに乗車させた場合は、道路交通法違反として切符を切られることになります。

ちなみにチャイルドシートは対象年齢ごとに、ベビーシート、チャイルドシート、ジュニアシートに分類されます。中には兼用として使用できるものもあります。

ベビーシート

新生児から1歳ごろまで使用できるシートです。

自動車の進行方向に対し、後ろ向きに使用します。正面衝突の対策として、背もたれは45度程度起こした状態になっています。

種類によってはベビーカーとドッキングされているものや、赤ちゃんを寝かせたまま移動できるキャリーとして使用できるものがあります。

チャイルドシート

1歳前後から4歳ごろまでの年齢で使用できるタイプです。

5点式のハーネスでしっかりと肩や腰をブロックする作りになっています。進行方向と同じ向きで使用するので、子どもの視界がぐんと広くなります。

リクライニングが付いているものがあり、背もたれの角度を調整することができます。

ジュニアシート

4歳以降になると、ジュニアシートが主流になります。

ジュニアシートには付属のベルトなどがなく、車のシートベルトをそのまま使用します。

子どもの身体にシートベルトが合うよう、座面を高くして腰ベルトが骨盤にかかるようにします。そして肩ベルトは首にかからないようにベルトガイドで調整します。

上半身をサポートする背もたれ付きのものや、腰下のみのシンプルなものがあります。

着用が免除されるケース

法律上チャイルドシートの着用が免除されるケースも存在します。

道路交通法では、病気やけがなどでチャイルドシートの使用に無理がある場合や、その他の政令で定める理由がある時とされています。例えば、車の構造上チャイルドシートを固定できない場合や、ケガでチャイルドシートの使用が健康上良くないと判断される場合などです。

またタクシーやバスを利用する場合も、着用義務はありません。応急救護のために緊急搬送される場合も同様です。

ちなみに、おむつやミルクをあげるときなど、日常の世話をするタイミングでもチャイルドシートの着用は免除されます。しかしここで間違えやすいのは、ずっと子供を抱いたまま乗車していていいというわけではないことです。

子どもを抱いたまま乗車していいのは、おむつの交換やミルクのときのみです。それ以外の場合は、チャイルドシートを装着しましょう。

ほかにも、友達の車やレンタカー車両を利用する場合も、チャイルドシートの装着義務は発生します。警察に検挙された際、罰則対象となるのは親ではなく運転者です。そのため、チャイルドシートを持参するなどの対策をとって乗車しましょう。

レンタカー会社の場合は、チャイルドシートの貸出をおこなっているところもあります。予約の際は、事前に設置してもらうことを伝えておきましょう。

チャイルドシートを使用していないと致死率が約8.1倍!?

実際にチャイルドシートを正しく使用している場合と使用していない場合で、事故で負傷した場合の致死率に大きな差が生じています。

警察庁のこちらの記事によると、6歳未満幼児でチャイルドシート不使用者の致死率(死者数÷死傷者数)は適正使用者の約8.1倍とのことです。

チャイルドシートを着用しているかどうかで大きな差が出ているように聞こえますが、適正使用者というのはチャイルドシートを適切に取付け、幼児を適切に着座させている場合です。

チャイルドシートの使用率は6歳未満全体で約70%、1歳未満で約90%となっているものの、その中で適切な取付け割合は47.6%、適切な着座割合は42.2%と低い数値になっています。

単純に考えると、正しくチャイルドシートを使っている割合は高くても約33%とかなり低いので、チャイルドシートを使っている人も一度正しく取付けられているか、正しく子どもを乗せているか、確認してみるといいと思います。

法律で着用が義務化されているからとりあえず取り付けるのではなく、子どもの安全を考えて必ずチャイルドシートを正しく使用しましょう。

カーシェア主要各社の対応状況

レンタカーや友人の車と同様に、カーシェアでもチャイルドシートの着用は義務付けられています

カーシェアとレンタカーが異なる点は、カーシェアは車両を店舗ではなくカーポートに直接取りに行くことです。

そのためチャイルドシートを利用する場合、あらかじめ設置されている車両か、トランクに装備されたものを選ぶことになります。

チャイルドシートの搭載の有無については業者によって違います。そのため事前にチェックしておく必要があるでしょう。

オリックスカーシェア

オリックスカーシェアでは、ジュニアシートが全車に搭載されています。

チャイルドシートやベビーシートの搭載はないので、各自で準備する必要があります。

タイムズカーシェア

タイムズカーシェアでも、ジュニアシートが全車に搭載されています。シートはトランクやサブトランクに収納されています。

チャイルドシートについては、一部のステーションのみのオプションとして利用できるようになっています。

カレコ

三井のリパークなどで利用できるカレコでも、ジュニアシートが標準装備されています。

チャイルドシートについては、一部の車両には搭載されているほか、三井のリハウスなどの店舗で無料貸し出しをおこなっています。

チャイルドシートはベビーシートと兼用になっているので、0歳からの着用が可能です。

カーシェア会社でレンタルできない場合は

利用しているカーシェアサービスではチャイルドシートの貸し出しをおこなっていなかったり、近くのステーションでは利用できなかったり。

カーシェアはレンタカーと違い店舗を持たないので、レンタルしたいのにレンタルできない…という可能性は往々にしてあります。

その場合の選択肢として、いくつかの方法をご紹介します。

1つ目は、地方自治体の貸し出しサービスを利用する。子育て支援サービスの一環としてチャイルドシートを貸し出している自治体があります。

どの自治体でもやっているかはわかりません。また、貸し出しも無料のところもあれば、有料のところもあります。さらに、貸し出しではなく、レンタルした場合に補助が出る形で対応しているところもあります。

もし利用したいと考えているのであれば、一度住んでいる自治体に聞いてみるといいでしょう。

もう1つは、ベビー用品のレンタルサービスを利用する。チャイルドシートにかぎらずベビー用品全般のレンタルサービスをおこなっている業者は全国に結構あります。

ただ、最終的に他の選択肢がなく、どうしてもレンタルしなければいけない場合にかぎるかと思います。というのも、期間をもうけたレンタルサービスであること、他の方法に比べると割高になるからです。

まとめ

チャイルドシートは法令順守という面だけでなく、子どもの安全を守るという観点からも欠かせないものです。

「頻繁に乗ることがないから」、「大人しくしていればいいから」と考えるのではなく、レンタルサービスなどを事前に確認して活用しましょう。

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