コンパクトカーの最先端を走っていたヴィッツ!燃費やデザイン・乗り心地を考察

calendar_today 2020/06/24  refresh 2020/08/20

世界のコンパクトカー市場に並々ならぬ影響を与えたモデルといえば、トヨタの誇るコンパクトカー「ヴィッツ」でしょう。

ヴィッツの魅力

1.0Lおよび1.5Lエンジンを搭載する5ドアモデルのヴィッツは、ボディー全体が丸みを帯びた可愛らしいデザインと、ハッチバックを生かした荷室の広さで、女性層を中心として日本国内で大きな支持を獲得しました。

パステルカラーなど、カラーバリエーションが豊富であった点も評価されています。

一方で、レーシング仕様のヴィッツは走りを楽しみたい男性ドライバーたちから人気を得ることになり、トヨタ主催のモータースポーツイベントも開催されました。

このように、クラスによってまったく異なる表情を見せるのがヴィッツの魅力と言えます。

ただし、2020年3月に規格の統一が実施されたため、このモデルの呼称は日本国内のみで使用されていた「ヴィッツ」から、欧米で使用されていた「ヤリス」へと変更になりました。

歴史

初代(1999年~2005年)

トヨタ・ヴィッツ(初代)

ヴィッツが初めて登場したのは1997年に東京で開催されたモーターショーでした。

その2年後となる1999年1月に日本で発売が開始されると、デザイン性と燃費の良さが話題を呼び、瞬く間に人気車種の仲間入りを果たします。

その人気は海外にも広がり、同年には日本カーオブザイヤーを獲得しただけでなく、欧州カーオブザイヤーも獲得するという快進撃を見せました。

2001年にはハイオク・レーシング仕様であるRSモデル、2002年には1.4Lのディーゼルエンジンを搭載したモデルが発表され、マーケティング戦略はさらに拡大していきます。

2003年にはマイナーチェンジと合わせて車体のカラーバリエーションを増やすことで再び注目を集めることに成功しました。

2代目(2005年~2010年)

トヨタ・ヴィッツ(2代目)
Mytho88 / CC BY-SA

フルモデルチェンジが行われて2代目ヴィッツが登場したのは2005年です。

耐衝撃性などを考慮してボディーのデザインが一新され、初代モデルよりもやや車体は大きくなりました。

国内では1.0L、1.3L、1.5Lの3タイプが発売されました。一方、ヨーロッパでは、初代に引き続き1.4Lのディーゼルエンジンモデルが販売され人気を獲得します。

また、国内ではマイナーチェンジに合わせて新型のRSモデルも登場しました。

2008年から2010年までは毎年、機能性とデザイン性を重視した特別仕様車を発表し、女性ドライバーを中心として高い評価を得ることになります。

3代目(2010年~2019年)

トヨタ・ヴィッツ(3代目)
DY5W-sport / CC BY-SA

走行性能の向上と低燃費に重点を置いたフルモデルチェンジが行われたのは2010年で、この年に3代目ヴィッツが発表されました。

ボディーの骨格を見直すことで、運転席だけでなく後部座席の足元にもより大きなスペースを確保することに成功します。また、アイドリングストップ機構を搭載することで、燃費の大幅な向上も達成しました。

2015年に行われたマイナーチェンジでは、それまでハイグレードモデルのみに実装されていたトヨタオリジナルの衝突回避システムを導入した車体が発表されます。

2017年にはハイブリッドモデルが発表され、ハイクオリティ・コンパクトカーという評価を獲得することになりました。

ヤリスとの名称統合による販売終了

2020年には、欧州向け「ヤリス」との名称統合が行われたため、日本国内における「ヴィッツ」というモデルの新規販売は終了しています。

燃費

現行モデルは2WDタイプと4WDタイプがあります。

2WDタイプの燃費は、ハイブリッドモデルがWLTCモードで35.4km/Lから36.0km/L、ガソリン車はWLTCモードで19.6km/Lから21.6km/Lです。

一方、4WDタイプは、ハイブリッドモデルがWLTCモードで30.2km/L、ガソリン車はWLTCモードで19.2km/Lという燃費になっています。

デザイン

エクステリア

現行モデルのエクステリアは非常にスポーティーなデザインとなっています。

フロント部分が非常にコンパクトである一方、リア部分は大きく膨らんだ設計になっているため、外観からでも荷室の便利さが容易に想像できます。

フロントガラス周辺のフレームが非常に細いため、洗練された印象を与えてくれるというのも魅力でしょう。

カラーバリエーションが18色用意されているという点も強みです。

インテリア

トヨタ ヴィッツ F(1.3L)の運転席
DJ5F-XDTB / CC BY-SA

インテリアはグレーを基調としたスマートなデザインになっています。

エアコンのスイッチを含めて、各操作用のボタンがハンドル周りにまとまっているので、ドライバーは視線を大きく外すことなく各機能の調整が可能です。

運転者の姿勢を考慮したシート設計になっているので、座ったときのフィット感は非常に高く、長時間運転しても疲れにくいというメリットがあります。各シートがやや低めの位置になっているのもスポーティーなイメージと合致しているでしょう。

自動駐車システムやインターネットを介した施錠確認システムなど、便利な機能が数多く搭載されているのもメリットです。

安全性能向上を意図した運転支援システムが標準搭載されているので、中高年層のドライバーにとっても魅力が多いモデルといえるはずです。

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