アルトとはスズキから発売されているハッチバック型の軽自動車のこと。1979年に発売されたのですが、軽ボンネットハンブームの火付け役を果たしたといわれています。
発売以来長らくスズキを代表する軽自動車でした。アルトシリーズ合計で累計480万台以上の生産台数を誇り、軽自動車の中でも屈指のヒット商品です。
2016年に国内累計販売台数が500万台に達しました。これはスズキの自動車の中でも史上初の快挙でした。
ちなみにライバル車はダイハツのミラ。宿命のライバルと業界では言われ、2018年まで競合がずっと続いていました。このようにアルトは長らくスズキをけん引してきた車種です。
アルトの特徴
アルトという名称はイタリア語からきています。「優れた」「秀でた」という意味を持つイタリア語です。運転のしやすさや経済性の高さなどが特徴なのですが、そのことをうまく言い表したブランド名といえます。
スズキアルトの特徴として、その価格の安さが挙げられます。1979年の発売時には、なんと47万円という価格設定でした。
手軽に購入できる軽自動車ということもあって、たちまち大ヒット。軽自動車でありながらデザイン性も追求していて、ポップでキュートなフォルムをしているため、女性ユーザーが多いのも特徴です。
アルトの特徴としてもう一つ、バリエーションの豊富さにも注目したいところです。派生モデルがこれまでいろいろと登場しており、例えばC2はレトロなエクステリアが特徴です。エコは省燃費性能に優れています。
このように充実したラインナップなので、どのような方でもお気に入りのタイプがきっと見つかるはずです。
歴史
初代
アルトは1979年に発売されました。
スズキで当時販売していた軽乗用車のフロンテの姉妹車にあたります。軽ボンネットバンと呼ばれるジャンルを作り出した、車業界でもエポックメイキング的な車といわれています。
当時のスズキの社長が陣頭指揮をとって制作された車ということで、当時も高い注目を集めました。
2代目
1984年にはフルモデルチェンジが行われ、4ストロークエンジンが全車に標準搭載されました。
フルモデルチェンジから3か月後には、4WD車を新たにラインナップ。パートタイムというプッシュボタン方式を採用しています。
ちなみに発売当初は4WD車のことを「スノーライナー」と呼ばれていました。
3代目
1988年に3代目モデルが発売されました。
3代目アルト最大の特徴は、ホイールベースを大幅に伸ばした点。当時の軽自動車の中では最も長いホイールベースでした。
両側スライドドアを採用して、当時国産車では史上初の試みでした。
4代目~8代目
1994年にフルモデルチェンジが行われ、4代目モデルが市場に投入されました。バリエーションは絞り込まれ、3ドアと5ドアの標準モデルのほかにスポーツモデルであるワークスのみに。
1998年には軽自動車規格が改正されました。これを機にフルモデルチェンジが行われました。サイズがアップした半面、重量を極力抑えることに成功。
6代目モデルは2004年に投入されました。グレード体系の見直しや3ドア車と2シーターなどの仕様が廃止されました。
以降2009年に7代目、2014年には2020年現行モデルの8代目が発売されています。
アルトの燃費
アルトの燃費はJC08モードでリッターあたり37km。これはハイブリッドカーと比較してもそん色ないほどのレベルです。
ボディの軽量化を進め、減速エネルギー回生機構を搭載することで、これだけのハイレベルの燃費を実現することに成功しました。
実燃費を見ても、リッター30km以上の数値をたたき出すことは十分可能。街中のストップ・アンド・ゴーの多いガソリンを消費するような状況でも、リッターあたり25km程度の数値を出せます。
ガソリン代を可能な限り節約したいと思っている方であれば、アルトの購入がおすすめです。
デザイン
エクステリア
アルトのエクステリアのデザインは、軽自動車の中ではかなり個性的です。
例えばフロントマスクは直立したまっすぐなフォルムをしています。これはほかの軽自動車にはなかなか見られない、個性的な表情です。初めて見た際には違和感を抱く人もいるでしょう。しかし乗り続けると徐々に見慣れてくるはずです。
サイドについては水平基調のデザインで、サイドウィンドウの下端を後部で持ち上げるフォルムをしています。これがダイナミックさを引き立てています。
後部もテールランプをリアゲートの下部にレイアウト。骨太で武骨な感じがして、後部も個性的なデザインをしています。
インテリア
インテリアについては実用性の高さが特徴的です。
ATレバーを採用し、その左側にはエアコンのスイッチをレイアウトしています。シンプルなデザインをしているので操作性が良いことも見逃せません。ドライバーの負担を極力軽減した形です。
パネル間の隙間をできるだけなくすことで、上質な印象に仕上がっています。
天井だけでなく、着座位置を低く抑えています。特に女性をはじめとして小柄なドライバーが運転する際、ペダルを踏みやすくしています。高齢のドライバーでも無理なく運転できるようなデザインです。