車の新たな所有方法としてカーリースに注目が集まっています。カーリースはメンテナンスや自動車保険などがすべてリース料金に含まれているため、シンプルに車を維持できるからです。
法人は営業車を導入する際にカーリースを利用するケースが多いですが、近年は個人のカーリース利用者も増加しています。
ただカーリース契約にともなうトラブル、特に解約に関するトラブルが増えているため、事前にカーリースについてくわしく知っておくのは大切だと言えるでしょう。
カーリースは原則途中解約できない
カーリースは長期に渡ってリース契約を結ぶことが多いです。契約年数を設定して、それに対するリース料金を算定します。
例えば5年のリース契約を結ぶ場合、契約期間中に発生する費用や車両本体価格の支払いなどをすべて含めてリース料金を算出します。
そのため、中途解約するとリース会社に損失が生じてしまうので、リース契約期間中の途中解約はできないのが一般的です。
リース契約を結ぶ際に中途解約に関する約束事項についても説明があるので、顧客は約束事項すべてに同意することが求められます。
契約上は中途解約ができない仕組みを採用しているところがほとんどであり、任意で中途解約ができるリース会社は無きに等しいと言えるかもしれません。
ただし、中途解約をどうしてもしなければならないケースもあるでしょう。リース契約をした法人や個人の財務状況が悪化して、支払い不履行になる可能性も捨てきれません。
このような想定外のことを踏まえて、例外的に解約が認められることもあります。
カーリース契約を解約できるケース
カーリース契約が解約できるケースとはどのような場合なのでしょうか。
大きく2つ、リース車両が運転できなくなるケースと契約者が運転できなくなるケースがあります。
交通事故や盗難、自然災害で車が廃車もしくは使用できなくなってしまう場合
近年自動車盗が増加傾向にあります。カーリースの車も例外なく盗難の被害に合う可能性があります。
他にも台風や大雨、地震等の予期せぬ自然災害で車を全損してしまうといったケースも増えています。
このような特殊な状況下では、カーリース契約の中途解約が認められる場合が多いです。
リース契約者の死亡など
カーリース契約の当事者が死亡したり、長期入院で事実上車を運転できなくなったりすることがあります。
このようなケースではリース契約対象の車を運転する人がいなくなってしまうことから人道的な観点により、リース会社側から中途解約を持ちかけられることがあります。
他にも契約当事者が海外赴任などの理由で長期間に渡り、車を使用できなくなる場合などもあります。
これらのケースは例に過ぎませんが、リース会社によっては契約者の状況に合わせて柔軟な対応を取る場合があります。
ただし、どのリース会社も行っているわけではないので、必ずしもこれらのケースが中途解約として扱われるとは限りません。
そのためもし先にあげた理由などで中途解約を希望する場合、まずはリース会社と話し合いをしてみることをおすすめします。
違約金の内訳・計算方法
カーリース契約を途中解約することになった場合、違約金はどうしても支払わなければいけません。具体的にどれくらいの料金がかかるのでしょうか。
これはリース契約によって異なるため、一概には言えませんが、一般的に発生する違約金などの種類を知っておくと良いでしょう。
発生する可能性のある費用は次のとおりです。
- 未払いのリース料
(解約を申請した時点でまだ支払われていないリース料金を精算します) - リースの残り期間の総額
(解約月から契約満了年月までの合計リース料) - リース車の残価
(車のリセールバリューから割り出す) - 書類作成費用 等
上記の費用は解約手続き時に請求される可能性があり、これらの合計額が解約時にかかる費用の総額になります。
ただし必ずしもこれらすべてが請求されるというわけではないので、まずは見積もりを取ることをおすすめします。
違約金から控除されるものもあります。
例えばリース車に査定価格が付く場合、この分の費用をリース料金から差し引いて残高を請求するといったケースです。残りのリース料金と車両の残価を差し引いた金額が請求されることもあります。
リース車の残価は査定士による査定によって決まるので、自分の思っている金額が必ずしも残価と釣り合うとは限りません。車の状態(走行距離、事故歴、傷やヘコミなど)によっても金額は変わります。
まとめ
カーリースは毎月の負担額が少ないものの、保険料やメンテナンス費用が含まれているので、長期的に解約せずに支払う場合、契約者にとってのメリットは大きいです。
ただ、ここで紹介したように中途解約をする場合、想定外の費用が発生してしまう可能性があり、高額になることも珍しくありません。
そのため、カーリース契約はできるだけ中途解約をしないほうがいいです。とはいえ、自分の判断で解約できるわけではありません。解約する状況にならないよう、安全運転を心がけましょう。