最近は軽自動車への人気が非常に高まっています。2019年には、軽自動車の割合がその年に販売された乗用車全体の3分の1以上を占めたほどです。
それほど人気の高い軽自動車のなかでも、最近特に注目を集めているのがスーパーハイトワゴンではないでしょうか。
スーパーハイトワゴンは各メーカーが強力なモデルを出しており、特にホンダのN-BOX、ダイハツのタント、スズキのスペーシアが3強を築いていると言えるでしょう。
今回ご紹介する日産のルークスは、その3強に食い込もうとしている注目のモデルです。そこで、ルークスについて、その歴史や特徴、燃費やデザインなどについて詳しく見ていきましょう。
ルークスの特徴
日産にはこれまでデイズルークスというモデルがありましたが、2020年のフルモデルチェンジを機に名前をルークスと改めました。デイズシリーズの一モデルだったのが、今回のフルモデルチェンジで独立した存在になったということです。
日産によると、ここ数年でハイトワゴンよりもスーパーハイトワゴンの存在感が市場で増したため、デイズシリーズから切り離したと言います。
実際、新型ルークスは、クラストップの居住性を備えたスーパーハイトワゴンにふさわしいモデルに仕上がっています。
『「ROOM」を「MAX」に』ということから、「ROOX(ルークス)」という車名が付けられたのですが、その名の通り、大人が4人乗ってもゆったりくつろげる広大な室内空間を実現しているのが最大の特徴です。
なお、2020年のフルモデルチェンジに当たって、「スマートシンプルハイブリッドシステム」が搭載されたモデルが登場するとともに、先代モデルから搭載されていた安全運転支援システムの「プロパイロット」の内容も拡充されています。
歴史
もともとルークスは、2009年にスズキのOEM供給によって誕生したモデルです。スズキのパレットに対する姉妹車に当たります。
伸びやかで洗練されたスタイリングに、両側の後部ドアにスライドドアを採用、また、低いステップに広大な室内空間など、小さな子どもからお年寄りまで快適に過ごせる特徴を詰め込んで開発されました。
また、燃費性能や環境性能も高く評価されたこともあり、発売前から大きな注目を集め、当初の月間販売目標が3,500台だったのが、わずか3週間でその3倍以上の11,000台以上を受注したほどです。
その後、2013年にスズキのパレットの生産が終了したと同時に、ルークスもいったん販売を終了します。その1年後、2014年2月に今度は三菱との共同開発でデイズルークスとして生まれ変わったのです。
ボディデザインにボリューム感のある個性的なスタイルを採用し、広大な室内空間や使い勝手は先代から引き継ぎつつ、安全装備を始めとして数々の先進装備が搭載されていたのが特徴です。
バッテリーアシストシステムやアイドリングストップ機能なども備え、燃費性能と環境性能にも優れていました。
売れ行きも好調で、当初の月間販売目標5,000台を遥かに上回る28,000台もの受注をわずか発売1か月間で記録したほどです。
そして、2020年に登場したのが現行の最新モデルで、デイズルークスからルークスへと再度名前を改められたのはお伝えした通りです。
ルークスの燃費
現行モデルのルークスの燃費性能は、カタログによると全グレード含めて、21.2~27.2㎞/L(JC08モード)、16.4~20.8㎞/L(WLTCモード)となっています。
「スマートシンプルハイブリッドシステム」というマイルドハイブリッドシステムが搭載されたモデルも含めてこの燃費値です。
ライバルであり、かつての兄弟だったスズキのスペーシアは、JC08モードで30㎞/Lを記録していますから、ルークスももう少し低燃費で良いのではないかと思ってしまいそうです。
ただ、新型ルークスには数々の新装備が搭載され、その結果、車両重量がスペーシアより90kgも重くなっています。燃費値がそこまで伸びないのはそれが理由でしょう。
ただし、N-BOXもそうですが、燃費性能がそこまで売れ行きに影響を与えないのがスーパーハイトワゴンです。ですから、この燃費性能で十分と感じるユーザーも多いのではないでしょうか。
デザイン
エクステリア
新型ルークスのエクステリアは、先代モデルの吊り目なフェイスよりも優しい顔つきになっています。
スタイリングも洗練さを増し、女性には親しみやすいデザインではないでしょうか。
また、ボディカラーに、ツートンカラーを含め全部で17色と多彩なバリエーションが用意されているのも特徴です。
インテリア
インテリアを見ると、やはり室内空間の広さに目を奪われます。
前席をアップライトにし、メカ部のスペースを最小限に留めたことで、後部座席に広大なスペースが生まれました。
室内高も1,400mmと高く、子どもなら立ったまま着替えができます。
また、コックピットを始め全座席に「ゼログラビティシート」という疲労軽減効果のあるシートを採用したことも特筆すべき点です。