パジェロの車種情報。燃費やデザイン・乗り心地

calendar_today 2020/09/30

三菱自動車といえばパジェロを真っ先に連想する方も多いかも知れません。四輪駆動車の代表格であり、とくに1990年代には非常に高い人気を博しました。

カーレースでの活躍も記憶に新しく、それによって三菱自動車の評判が広く国内外で知れ渡った面もあります。まさにパジェロは三菱自動車の「顔」といっても過言ではないでしょう。

一方、歩行者保護法規への対応が難しいなどの理由で、2021年での日本仕様での生産を終了することが発表されており、まさに一つの時代が終わりを告げようとしている状況でもあります。

この車種に愛着を持っている方にとっては寂しい思いをしている時期ではないでしょうか。

抜群の安定性を誇るパジェロの特徴

その歴史を通して最大の特徴となっているのが、フロント車軸をエンジン重心よりに配置することで前後の軸の重量比が50:50になるフロントミッドシップ構成となっている点です。

シャーシについてはモデルチェンジごとに改良が施されており、現行の4代目(2006年~)ではモノコックボディに前後貫通したラダーフレームをつけた「ラダーフレーム・ビルトイン・モノコックボディ」を採用、これによって非常に優れたボディの剛性を獲得しています。

なお、ボディにはショートとロングの2種類が用意されており、どちらもスタイリッシュなデザインになっているのが特徴です。

そしてこの車種の性能の鍵を握るともいえる四輪駆動のシステムは、3代目に採用されたスーパーセレクト4WDⅡをそのまま継続して使用しています。これは運転席の4WD切り替えレバーを電動スイッチにしているもので、走行の安定性を非常に高いレベルで実現しているものです。

しかも、滑りやすい斜面など不安定な状況においてブレーキを独立して作動させることで安定性を維持する「アクティブスタビリティコントロール」、雪道やぬかるみにおいて車輪がスリップしたときにタイヤにブレーキをかけつつエンジンの出力を適切に制御する「アクティブトラクションコントロール」など、走行性を維持しつつ安全に運転できる環境づくりへの配慮も充実しています。

栄光に彩られたその歴史

初代が発売されたのは1982年、しかしパジェロの栄光の歴史ともいえるものは1990年に入ってから築かれました

1991年にフルモデルチェンジによって登場した2世代目には世界初のスーパーセレクト4WDが搭載されるなど、最新の技術が投入されて四輪駆動車として理想的な作りになりました。

その機能を世界中に知らしめるようにパリ・ダカール・ラリーに参戦し、優勝を含む好成績を残しました。

この時代にパジェロと三菱自動車の評判は世界中に広まったといってもよいでしょう。

その後1999年に3代目が登場、2006年に現行モデルとなる4代目が登場しています。走行性能はもちろん、安全性能も着実に向上していましたが、先述したように2021年をもって生産が終了することが発表されており、2019年には「ファイナルエディション」という特別仕様車も発売されました。

パジェロの燃費性能はどの程度?実燃費との違いは?

オフロード用の車の燃費を一般の自動車と比較するのは難しいのですが、カタログの数値では7.6km/L~10.8km/Lとなっています。

しかし実燃費は6.5~9.5km/L程度。全体的に見て燃費性能はあまりよくないとの評価は避けられないでしょう。

コスト面ではなく、性能面で評価される車種といったところでしょうか。

デザイン

力強さが魅力のエクステリアデザインと近年の傾向

デザインは「やや無骨だが力強い」と表現したくなるエクステリアが初代から引き継がれ続けています。

一方でフルモデルチェンジを重ねるにつれて、スタイリッシュな印象と立体感を伴った傾向が見られています。

またスペアタイヤガーニッシュやナンバープレートとリヤビューカメラを内蔵するなど、新しく珍しい面も持ち合わせていますし、ボディカラーもモノトーンとツートンの2種類から用意されており、いかにもパジェロらしいモノトーンと、現代的なイメージがあるツートンのどちらを選ぶか、好みに合わせて選択できます。

実用性を重視したインテリアデザイン

実用性と走行性を重視した車種ということもあって、インテリアもシンプルでクラシックな印象を受けます。一方で、オフロードや長時間の運転を快適にするためのさまざまな工夫や装備が充実している面もあります。

メーターは見やすい上にスタイリッシュなデザインをしているハイコントラストメーターを採用、ドライバーが運転状況をひと目で把握しやすい配慮が盛り込まれています。また、ハンドルはステアリングに本革を使用するなどフィット感を重視しており、手に馴染みながらハンドルを体の一部のように扱うこともできるでしょう。

シートカラーはシンプルなブラックとベージュ。本革とスエードファブリックが用意されています。

特筆すべき点としては、シートアレンジによって収納スペースを拡張できること。乗車人数や荷物の量に合わせて調節することで、レジャーの際に快適な利用ができるでしょう。

世界的に見ても、もっとも知名度の高い日本車の一つと評価して間違いないでしょう。生産終了は残念ですが、これからも中古市場を中心に高い評価を受け続けることは間違いないはずです。

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