日本三大自動車メーカーの一つに数えられるのが、本田技研工業株式会社(ホンダ)です。
トヨタ自動車に次ぐ国内販売台数2位の座を、日産自動車と競っています。
スポーティーなイメージと技術へのこだわりで知られるホンダですが、具体的にはどんな特徴があるのでしょうか。
また、ホンダのラインナップのなかで特に燃費のいい車種についてもいくつか紹介します。
ブランドの概要
ホンダは、本田宗一郎が一代で築いたメーカーです。
その宗一郎氏自身がもともと技術者として叩き上げだったこともあり、ホンダは、現在に至るまで自社の技術には非常に重きを置いています。
実際、創業者の宗一郎氏から今に至るまで、ホンダのトップに立つ人はすべて技術畑出身です。
ホンダはまた、バイクでも知られています。バイクのシェアは世界ナンバーワンであり、世界中に愛好者が存在します。
そのほかクルマやバイク以外においても、船舶、航空機、耕運機、ロボットなど数々のジャンルでその高い技術力を発揮しているのが特徴です。
ただ、やはりクルマとバイクが自社の根幹にあると言えるでしょう。
特徴
すべてのラインナップが自社開発
ホンダが他の自動車メーカーと大きく違うのは、完全に独立して成り立っているところです。すべてのラインナップが自社開発ですが、これは世界的に見ても珍しいことでしょう。
今の自動車メーカーは世界中でグループ化が進んでおり、以前はライバル同士だったメーカーが提携して開発や販売を行っているのが現状です。
日本一のトヨタもダイハツ、マツダ、スバルと連合していますし、日産もフランスのルノー、三菱と連合しています。
規模の違いはあれ、どちらのグループもクルマの共同開発や同一車種の販売などで提携するメリットを存分に生かしているわけです。
それだけ自動車メーカーも経営が厳しくなっているということですが、そんななかにあってホンダだけは完全な独立を保っており、ラインナップもすべて自社開発のものばかりです。
また、OEM供給もやっていないため、他社のようにラインナップに別のメーカーのクルマそっくりのOEM車があるということもありません。
多少デザインが違うだけで中身はほとんど同じというクルマが増えてきたなかで、ホンダのクルマはどれを選んでもホンダならではの魅力を味わえるということです。
独自開発のVTECエンジン
また、ホンダの技術力を示すものといえば、独自に開発したVTECエンジンが代表的な存在です。
このエンジンは可変バルブタイミング機構を備えたエンジンで、エンジンの回転数にかかわらずバルブが適切に制御されるようになっています。
通常のエンジンはエンジンの回転と同じタイミングでバルブも開閉するのですが、VTECエンジンの場合、そのタイミングに合わせてバルブ開閉のリフト量が変化するのが特徴です。
1989年に誕生したこのエンジンは、改良を重ねつつ今に至るまでホンダの基幹技術として採用され続けています。
VTECエンジン搭載のクルマに乗ると、エンジンの動作が実感できるのがおもしろい特徴です。
加速してエンジンがある程度の回転数に達すると、急にエンジン音が変化します。その変化したタイミングこそがバルブの変化のタイミングであり、ドライバー自身もエンジンの回転数が上がったことをはっきり感じられるでしょう。
その時の吹き上がりが気持ちよく、これが味わえるからこそホンダ車を愛している人も多数います。しかも、スポーツカーだけでなく、ホンダ車ならセダンでもコンパクトカーでもこれが体験できるため、全般的に他のメーカーのクルマよりもスポーティーな感覚が楽しめるのです。
ホンダに対してスポーティーなイメージを持っている人も多いですが、このVTECエンジンがその最大の要因と言えるでしょう。
燃費のいい車種
ホンダ車のなかでも特に燃費性能に優れているモデルをいくつか紹介します。
フィット
まずは、2020年にフルモデルチェンジしたばかりのフィットです。
ガソリンエンジンモデルの燃費も悪くありませんが、やはり「e:HEV」というホンダの2モーターハイブリッドシステムをコンパクトカーに初めて搭載したハイブリッドモデルの燃費が特に優れています。
いくつかグレードがあるなかでも、「e:HEV BASIC」(2WD)が、WLTCモードで29.4km/Lもの低燃費を実現しておりおすすめです。
インサイト、グレイス
5人乗りの4ドアセダンのなかでは、インサイトとグレイスの燃費が優れています。
インサイトはスタイリッシュなデザインと機能性が特徴で、それに対してグレイスは、広い室内空間を持ちコンパクトカー並みの燃費性能を実現しているのが特徴です。
どちらにもハイブリッドモデルがあり、カタログ値を見る限り甲乙つけがたいほどの低燃費を実現しています。具体的には、インサイトが34.2㎞/L、グレイスが34.8km/L(FF車)です(どちらもJC08モード)。ハイブリッドモデルの燃費のみで比較する限り、どちらを選んでも満足できるのではないでしょうか。