ステップワゴンとはホンダが製造・販売しているミニバンのことです。
発売された1996年当時、日本ではキャブオーバータイプのFRレイアウトのミニバンが主流でした。しかしステップワゴンでは、FFレイアウトのボンネットタイプを導入したことで、画期的な試みと評価されました。
発売当初から順調な売り上げを記録しました。パッケージングがまとまっていることと価格帯を広く設けることで、幅広い層に訴求できたためです。
ステップワゴンの登場以来、ほかのメーカーでも似たようなコンセプトの車が開発されるようになりました。
走行安定性と車内スペースを広くすることで居住性にも優れています。2020年現在、全部で5つのモデルが販売されました。いずれのモデルも安定した人気を誇ります。
ちなみにステップワゴンにはスパーダとアルマスという派生車種もあります。スパーダについては2009年10月からは別車種の扱いになりました。アルマスは介護専用車になります。
ホンダでは「クリエイティブムーバーシリーズ」を当時展開していました。このシリーズの最初が初代オデッセイでした。
ステップワゴンはシリーズ第3弾に当たる車種です。5ナンバーのミニバンというジャンルを確立した車種でもあります。
歴史
初代(1996年~2001年)
ステップワゴンは1996年5月に発売されました。
当時のホンダはFFの小型車をメインとして販売していました。一方徐々に人気が出てきていたRV車については手付かずの状態でした。
そのような状況で編み出されたのが先に紹介した「クリエイティブムーバーシリーズ」だったのです。
ステップワゴンは5ナンバーサイズの中では最大といわれた室内空間を有しました。そのほかにもフロアベースに段差をなくす、後部座席には大きなスライドドアを設けるなど、ファミリーカーとして使われることを想定したコンセプトになりました。
1999年になるとマイナーチェンジが図られました。エンジンのパワーを向上させ、フロントマスクのデザイン変更などが導入されました。
この時Gコントロールという本田オリジナルの技術により、衝突安全設計ボディに変身したのも大きな変更点です。実用性と安全性の向上が試みられました。
2代目(2001年~2005年)
2001年にはフルモデルチェンジが行われ、2代目モデルが投入されました。
「子供を中心とした家族のバンザイ」がコンセプト。ファミリー世帯をターゲットにしたのは先代から受け継がれましたが、より子供が乗りやすい車作りを目指しました。
プラットフォームが刷新され、室内フロアは45mmさらに低くなりました。室内環境を向上させることで、子供でも車内で快適に過ごせるような変更点が加わりました。
2003年にはマイナーチェンジが実施され、オデッセイなどに搭載されているエンジンが追加され、走行性能がアップしています。
3代目(2005年~2009年)
2005年には3代目モデルが登場しました。
ユーティリティ・ミニバンのゆとりとセダンの質を両方実現できるような開発が進められました。ボディサイズはコンパクトになって、フォルムは丸みを帯びました。
エンジンについては変更点はありません。しかし特性の見直しによってパワーアップしながら燃費性能も向上しました。
従来モデルよりも定昇で低重心も実現しました。2008年には国内の累計販売台数が100万台を突破しました。
4代目(2009年~2015年)
2009年に誕生した4代目モデルは家族全員が楽しく楽に乗れる車がコンセプトになりました。
ホイールベースとガラスエリアの拡大によって、ゆとりある空間でクラスの中でもトップクラスといわれたほどです。
運転席のインパネデザインが変更されて、視界性により優れた車になりました。
5代目(2015年~):現行モデル
2015年の現行モデルについてはターボエンジンが投入されました。
1.5リッターエンジンでダウンサイジングしたものの、燃費性能と運転性能が両方改善しました。
ランクダウンしたことで、自動車税が従来モデルよりも安くなりました。
燃費
ステップワゴンの特徴の一つに高い燃費性能があります。
ステップワゴンのグレードの中にはハイブリッド車があります。こちらはJC08モードでリッター当たり25.0kmです。
これはミドルサイズのミニバンの中でも、トップクラスの燃費といわれています。
ガソリン代の節約効果だけでなく、ガソリンスタンドに何度も行くような手間暇もなくなりました。ハイブリッドエンジンだとモーターが動力源の一角を担うので、静粛性に優れ、快適なドライブが可能です。
デザイン
エクステリア
現行モデルの外観のデザインを見ると、若々しい印象に仕上がっています。
低床と低重心のコンセプトの流れはそのままですが、躍動感のあるデザインです。それでいて、丸みのあるフォルムも先代モデルからそのまま継承されています。
ですから女性が運転しても違和感ない印象です。
ワクワクゲートと呼ばれるオリジナルの機構を導入しているのもデザイン面での大きな特徴です。
テールゲートから子供が乗り降りできるようになっていて、横平木式のサブドアを採用することで狭いスペースでも無理なくドアを開閉できるようになりました。
インテリア
さらに先代モデルと比較すると、インテリアのデザインを一新しているのが特徴の一つです。
ビューティリティリビングが基本コンセプトになっています。色合いに温かみを出し、デザインを柔らかくすることでリラックスして過ごせるように配慮されています。