燃料電池自動車は世界を制するか?トヨタ・MIRAIの燃費やデザインについて

calendar_today 2020/12/02

世界初のセダン型の燃料電池自動車として発売され大きな注目を集めたのが、トヨタ自動車のMIRAIです。

トヨタ自動車が誇る技術力を投入し、燃料電池技術とハイブリッド技術を融合することで、これまでにない高性能を実現して大きな話題を集めました。

トヨタ自動車では「扱いやすさはガソリン並、クリーン性はガソリン以上」を謳っており、これまでの燃料電池自動車につきまとってきた「環境には優しいけどコストや使い勝手は劣る」というイメージを払拭する性能をアピールしています。

このMIRAIがどれだけ成功するかが今後の燃料電池自動車市場にも大きな影響を及ぼすのではないか、という声もあるほどです。

燃料電池自動車だからこそのMIRAIの特徴

最大の特徴は当然、燃料電池自動車であることです。

先述したように最先端のハイブリッド技術と融合させることで従来の燃料電池自動車のマイナス点を大幅に軽減することに成功しています。例えば走行気力はJC08モードにおいて約650キロメートル、これまでにない長距離を実現しています。

また水素充填にかかる時間は約3分わずか3分間の充填で650キロメートル走ることができて、走行中にはCO2が排出されない。この点こそMIRAIの最大の特徴であり、トヨタ自動車がガソリン並に扱いやすくガソリン以上にクリーンと謳っている理由でもあります。

従来の燃料電池自動車にはなかった長距離の走行を実現するため、燃料電池をめぐる装置には最先端の技術が用いられています。高強度の鋼材の仕様、3次元構造の燃料電池スタックなど、まさにトヨタ自動車だからこそ実現できて機能と言えるでしょう。

現在のトヨタ自動車の車に置ける安全装備のメインとなっている「Toyota Safety Sense」がMIRAIにも搭載されています。

歩行者、自転車運転者を検知したうえで衝突の回避を支援する「プリクラッシュセーフティ」、ステアリングを制御し安定した運転をサポートする「レーンディパーチャーアラート」、ブレーキ制御が可能な「レーダークルーズコントロール」などがこの機能に含まれています。

さらに加えてスムーズな発進をサポートする「ドライブスタートコントロール」、ブラインドスポットモニター(BSM)などの安全装備も標準搭載されています。

将来性豊かな面とこれまでの歴史

最先端の技術が導入された世界初のセダン型燃料電池自動車、ということもあって歴史はまだ浅く、初代が発売されたのは2014年です。

発売当初における面白いエピソードとして、希望小売価格として設定された723万6000円という価格帯に対してドイツの自動車メーカーが「7000万円の間違いだろう」と言った話が残されています。それだけ最先端の技術が導入されたことを物語っています。

なお、2020年6月にこの初代モデルの生産が終了し、2020年12月にモデルチェンジをしたうえで2代目が発売されることがトヨタ自動車から発表されています。

このシリーズの性能の高さへの評価と環境面への期待を物語る話としては、2020年に徳島県警察がパトカーへの導入をはじめたこと、2019年にローマ教皇フランチェスコが来日した際に東京と長崎の移動車両として使用されたことなどが挙げられます。

燃料電池自動車として見たMIRAIの燃費について

燃料電池自動車ですから、ガソリン車やハイブリッド車の観点からの燃費・実燃費のチェックはできません

先述したように一回の充填で650キロメートル走行できるのは非常に魅力的ですが、コスト面ではどうなのか?が気になる人も多いハズです。

1キログラムの水素につき1100円程度、そして1キロメートルの水素で120キロメートル程度の走行が可能です。これを参考にガソリンの料金と比較してみると安いというわけではないものの、決して悪い数字ではないことがわかります。

つまり「燃料電池自動車は環境には優しいけどコスト的には高い」というイメージは、このMIRAIには成り立たないと言えます。

MIRAIのデザイン

近未来的でスタイリッシュなエクステリアデザインの魅力

エクステリアは一見して近未来的でスタイリッシュな印象を受けるのが大きな特徴です。

硬派&硬質な面を備えつつも流麗なラインも備えており、トヨタ自動車の特徴を備えつつもより未来的なデザインを重視したものと言えるかも知れません。

そして、際立った特徴として挙げられるのがリアにマフラーがないことです。さらにハイビーム、リアフォグランプ以外にはLEDが採用されるなど、細かな点にも環境への配慮が見られるのも見逃せないでしょう。

充実した機能に乗用車の未来を見る!インテリアデザインの特徴

インテリアもエクステリアの印象をそのまま引き継いだものになっています。全体的に非常にシックな印象をもたせる一方で、充実した機能・装置が導入されています。

例えばセンタークラスターには12.3インチのワイドモニターとインストルメントパネルが導入されており、広々とした空間でさまざまな情報を運転しながらチェックする事が可能です。

コックピットはメッキによる加飾や高輝度シルバー加飾などによる高級感を演出した仕上がりになっているほか、先述したワイドモニターやメーターなどは非常にわかりやすく、複雑な情報を見やすく理解しやすいよう工夫が施されています。

もうひとつ、インテリア面の特徴としては左右独自で温度を調節できるエアコンが搭載されていること、しかも静電式ヒーターコントロールパネルで手軽に温度調節を行うことができます。

これらの特徴から見ても、MIRAIはトヨタ自動車がその最先端の技術力の総力を結集して世に送り出した車種と評価できるでしょう。2020年12月の二代目の発売も楽しみにしたいところです。

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