ランサーエボリューションの車種情報。燃費やデザイン・乗り心地

calendar_today 2021/02/26

ランサーエボリューションは三菱自動車が2016年まで生産・販売していたステーションワゴンタイプの乗用車です。

多くのファンを持つシリーズであり、生産が終了した際には惜しむ声が多数上がりました。

しかし翌2017年には早くも復活の噂が流れ始め、三菱自動車もその可能性を示唆、電動SUVの形で復活するのではないかとの予想の声も上がっています。

この車種のユニークなところは名前に「エボリューション」がつけられているように、「ランサー」シリーズの発展型として誕生したものです。

しかも、その理由も世界ラリー選手権(WRC)に参戦するための資格を満たすために2000ccのハイパワーターボエンジンを搭載したという珍しい経緯を持っています。その後ラリー選手権で活躍するなど国内外で高い評価を得ています。

街乗りと競技用の2種類がスタンバイ!その特徴に迫る

2020年現在におけるランサーエボリューションの最終バージョンは、特別仕様車として販売された「ファイナルエディション」を除くと「ランサーエボリューションX」となります。

2007年に販売開始、全モデルと比較すると全高がやや低くなったほか、トレッドが拡大するなど走行安定性が向上したのが大きな特徴となっています。

また、トランスミッションでは5速MTのほかに6速Twin Clutch SSTが搭載されています。これはトルクコンバーターを使わないもので、自動変速モードがついているなど特徴的な仕様になっています。

ですから名義上はマニュアル車ですが、法律上ではAT車に分類されているため、AT限定の運転免許しか持っていない人でも運転することができます。AT車の免許でMTのステーションワゴンを乗りこなす気分を味わうことができるわけです。

もうひとつユニークな特徴としては、このシリーズには街乗りを前提にしたGSRと、競技での使用を前提としたRSの2つのモデルが用意されていたことです。

後者は競技での使用を踏まえて助手席のエアバッグやフルオートリモコンなどが搭載されておらず、軽量化を重視した内容になっています。その一方で、価格がGRSよも安くなっているのも特徴でした。

なお、「ファイナルエディション」はこのランサーオボリューションXの特別仕様車として発売されたもので、おもに新しいカラーが用意されたほか、ステアリングホイールやブレーキングバーなどにレッドステッチを施すなど、外見上の違いがメインとなっていました。

ランサーエボリューションの歴史は終焉したのか?これまでの展開

ランサーエボリューションXは4世代目にあたり、初代は1992年に発売されています。

先述したようにWRCに参戦することを前提に作られたもので、当時一般車両の中では驚異的とも言えるパワーを誇っていました。

その後マイナーチェンジを繰り返した後に、1996年第2世代の「ランサーエボリューションⅣ」が発売、このシリーズの歴史上もっともヒットしたモデルとなりました。

2001年には3世代目が登場、このシリーズからヘッドライトにHIDが採用され、その後最後まで標準装備として搭載され続けました。

なお、この車の魅力を伝えるエピソードとして、その性能・コストパフォーマンスの高さから国内外で盗難が相次ぎ、この第3世代の時点で盗難防止用のイモビライザーが全車において標準搭載となりました。

そして2007年に登場した第4世代の最終バージョンとなった「ランサーエボリューションX」は2015年の8月をもって生産が終了、「ファイナルエディション」も2016年4月に販売が終了。その歴史に(いったんは)幕を閉じました。

燃費性能にも優れた評価

燃費性能は最終バージョンとなる「X」で9.8KM/L~10.2KM/L。「ファイナルエディション」では10.4KM/Lが公式の数字となっていました。

これらはいずれもシリーズ最高クラスの数字でしたが、実燃費になると旧シリーズの「エボリューションⅢ」や「エボリューションⅣ」が8.5KM/L~9.2KM/L程度と高い評価を得ています。

「X」に関してはカタログに比べてやや劣る8.0~8.3KM/L程度が標準値とされています。

いずれにしろカタログの数値と比較してあまり遜色がなく、燃費の面でも高く評価されていました。

ランサーエボリューションのデザイン

重厚感を重視したエクステリアデザイン

デザインは重厚感を重視した印象になっており、「X」ではこれまでのモデルに比べるとやや丸みを帯びた印象になりました。

そもそもこのシリーズは、モデルチェンジを繰り返していくにつれて重量感を増し、やや「ゴツく」なっていく傾向が合ったのですが、この「X」ではそれが若干交代した面もありました。

とはいえ、かなり目立つエアロパーツの存在など、このシリーズらしさは最後まで健在でした。

モデルチェンジごとに進化を続けたインテリアデザインの魅力

「X」はシリーズ史上最高のモデルチェンジとも言われており、この段階でインテリアの魅力を格段に向上していました。

全体を黒で統一し重厚で高級感あふれる質感を実現したほか、パーキーングブレーキは本革巻き、アームレストをソフトレザー張りにするなどのバージョンアップが施されています。

車内は非常にスッキリとした印象になっており、広々とした感覚で運転することができます。

先述したように、2020年以降このランサーエボリューションシリーズの復活が期待されており、「昔あった名車」ではなく再び歴史を築き始める車種へと返り咲く可能性が高くなっています。

それだけに、これまでのこのシリーズの特徴や魅力を見直してみるのもよいのではないでしょうか。

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