車のエアコンが効かない原因と修理方法や応急処置

calendar_today 2020/09/15

車のエアコンが効かない原因と修理方法や応急処置

夏場の暑いときや冬場の寒い時期に車内のエアコンが効かないとかなり参りますよね。

特に夏場は車内のもわっとした空気に耐えられずにエアコンが直るまで外出できないといった人もいると思います。

そもそも、車内のエアコンはなぜ故障してしまうのでしょうか。

今回はエアコンが故障する原因と修理方法について解説します。

エアコンが故障する原因

車のエアコンは暖房と冷房で仕組みが異なるため、故障原因もそれぞれ異なります

暖房が効かない場合

暖房が効かないときの原因として2つのことが考えられます。

まず1つ目は冷却水が減少していること。

エンジンが動いている間は、内部がとてもに高温になっています。エンジンがオーバーヒートしてしまうことを防ぐために、車内には常にラジエーター液やクーラントとも呼ばれる冷却水が流れています。冷却水が車内を循環することで、エンジン周辺の熱を奪って、オーバーヒートを防いでいます。

暖房は、この時冷却水によって放熱される熱を利用して温風を送っています。なので、冷却水自体が漏れなどによって減少していると、エンジンの熱を放熱することができず、暖房も効きません

それどころか、エンジンがオーバーヒートを起こす危険な状態といえます。

2つ目に考えられる原因はサーモスタットの故障

サーモスタットとは温度を調整するための機器で、自動車に限らず、コタツやレンジなど色々な製品に使用されています。

サーモスタットは、冷却水の循環しているエンジンとラジエーターの入り口に取り付けられており、このサーモスタットのONとOFF状態が切り替わることによって、冷却水を流すかどうかが決まります。

つまりサーモスタットが故障することで、冷却水が流れない、あるいは流れすぎる状況が発生し、暖房が効かない要因となってしまいます。

代表的な原因は上記の2点ですが、この他、別の部品の故障であったりセンサーの異常など原因は多岐にわたります。原因がはっきりとしない場合は、ディーラーなどの判断を仰ぐしかありません。

冷房が効かない場合

次に、冷房が効かない場合の原因についてです。

冷房はコンプレッサーという空気を圧縮するための機器でガス(エアコンガス)を圧縮します。この段階のエアコンガスは圧縮されたことにより高温の液体になっています。その後、液体となったエアコンガスはコンデンサーとよばれる機器で冷やされます。

冷やされた液体はノズルを通ってエバポレーターという減圧を行う装置へと運ばれます。エバポレーターによって一気に液体は蒸発(気化)され、その影響で周囲の熱を奪い、冷房を実現しています。

見ての通り、冷房には様々な装置が複雑に動作しており、故障の原因も簡単には突き止められませんが、主な原因はエアコンガスが気化されるまでのどこかで、エアコンガスが漏れてしまっていることが考えられます。

他にも、エアコンガスを圧縮する機器であるコンプレッサーの故障が多く、コンプレッサー自体の交換が必要になるケースもあります。

また、暖房と同様にその他の機器の故障の可能性も考えられるので、詳しい人に一任したほうがよいときもあるかもしれません。

修理方法と費用

エアコンの修理は自分でできる場合と自分ではできない場合とがあります。

暖房に必要な冷却水や、冷房に必要なエアコンガスが不足していることが原因の場合はこれらを買い足すだけで修理完了となります。冷却水には「低フリクションクーラント」をはじめとして色々な種類があるのでご自身の車に合ったものを選ぶ必要があります。

冷却水を補充するにはバケツ、ジョッキ、雑巾などの道具が必要になります。クーラントチャージャーと呼ばれる道具があると、冷却水をこぼすことなく簡単にリザーブタンクに補充することができます。

冷却水自体は1,000円から2,000円程度で購入することができます。クーラントチャージャーは3,000円程度で購入することができます。

また、エアコンガスを補充するにはガス本体とチャージングホースが必要になります。エアコンガスは残量をサイトグラスで確認することができます。

ガスを補充するには、チャージングホースにガスをセットした後、エアコンの配管の低圧側カプラーにもう片方のホースを接続します。セットできたら、針でガス缶に穴を開けることで、ガスが注入されていきます。エアコンガスの補充時は、一番低く、かつ風量を最大にした状態でエアコンをかけながら行います。

チャージングホースは約2,000円くらい、エアコンガスは200円〜400円くらいで購入することができます。

ガスの補充は数千円程度で行うことができますが、ガス漏れの修理となると費用は跳ね上がり2万円は最低でもかかってしまいます。冷却水の量を調整しているサーモスタットの交換には概ね6,000円程度かかります。

普段から自動車のDIYに慣れしたんでいる人でない限りは、整備工場に交換を依頼するほうが無難です。コンプレッサーの交換は5万円からと非常に高額な修理費用がかかってしまいます。

応急処置

冷却水がないときは一時的に水を代わりに入れても暖房を使うことはできます。

しかし、普通の水を使い続けるとオーバーヒートの原因にもなりますので、早めに冷却水を入れ替えることをおすすめします。

冷房が効かない場合はなかなか応急処置が難しいです。

保冷剤を車内に置くなどして、エアコンとは別の対処が必要となります。

まとめ

エアコンの故障の原因と修理を暖房と冷房に分けてみていきました。

自動車のエアコンは複雑で、なかなか素人には修理できない場所でもありますので、無理せず修理業者やディーラーの協力を仰いで直すようにしましょう。

link 関連記事