環境意識の高まりや原油価格の上昇などもあり、環境にやさしい次世代自動車が人気となっています。
ですが、燃費が良く環境にやさしいという漠然なイメージしかない人が多いかもしれません。
ここでは、次世代自動車のひとつであるハイブリッドカーの仕組み、メリット、デメリットなどを紹介していきます。
ハイブリッドカーとは?その仕組み
動力となるものを複数持っている車のことをハイブリッドカーといいます。基本的には従来のガソリンエンジンに電気モーターを備えている車のことを指します。
ガソリンエンジンがメインの動力で電気モーターが低速時の加速補助というハイブリッドカーと違い、電気だけでも走れるように大容量のリチウムバッテリーを搭載した自動車をプラグインハイブリッド車(PHV)といいます。
ハイブリッドカーの歴史は意外と古く、乗用車として市販されたものでは、1995年発売のアウディ80 duoが世界初。ただ、非常に高価で販売は振るわなかったそうです。
1997年にもアウディA4 duoを販売しましたが、これも高額。90台しか生産せず、試験販売の意図があったのかもしれません。
結果、1997年12月に発売された量産ハイブリッド車としてトヨタのプリウスが世界初と言われています。
動力を2つ持っているハイブリッドカーとはどのような仕組みになっているかというと、
- エンジンをかけたばかりや、低速で運転しているときは、電気モーターの動力を使う
- エンジンが温まり効率よく走行できる状況ではガソリンエンジンに自動で切り替わる
このような仕組みになっています。
この特徴によって、従来速度が低い場面では燃費の悪かったガソリン車の欠点を補い、エネルギーを無駄なく使える仕組みになっているのです。
また、二酸化炭素、排気ガス等の排出を抑えることにも繋がるので、環境にも優しい作りになっています。
メリット
ハイブリッドカーで運転するメリットは沢山ありますが、今回はそのメリットをいくつかまとめて紹介していきます。
燃費が良い
まずは、燃費の良さについてです。
燃費については前途の通りガソリンと電気モーターを状況に応じて使い分けるため、燃費効率がとても良くなっています。
ガソリンの消費も少ないため燃料代を安く抑えることにも繋がり、環境にもお財布にも優しくなっています。
一般的に車両の価格は、ガソリン車よりも割高ですが、日常のコストが安くなることや、給油の手間が少なくなるのは大きなメリットです。
また、ハイブリッドカーは動力が複数あることで、エンジンの負担が少なくなります。電気モーターのサポートがあるため、劣化が少なくエンジンが長持ちする傾向にあります。
環境にやさしく税金が安くなる
二つ目は環境に優しい作りという部分です。電気モーターを使って走行しているときは、二酸化炭素の排出が少なくなります。そしてエンジンを稼働させた時は、電気モーターがメインで使われるので、排気ガスで駐車場や周囲の環境が汚れにくいのも特徴です。
また、ハイブリッドカーは環境性能が国の定める基準値をクリアしていることで、購入時に税金が安くなるのもポイントです。
減税については、一般的に車両を購入する時にかかる3つの税金が対象になります。環境性能割(旧自動車取得税)、自動車重量税、自動車税種別割です。
ハイブリッドカーの減税の割合ですが、最大で自動車重量税、環境性能割は全額、自動車税種別割も75%減税となります。軽自動車のみ50%となる点には注意してください。
静穏性が高い
静穏性の高さもポイントの一つです。
一般的なガソリン車の場合エンジンをかけるときに大きな音がします。早朝、深夜などに出勤、帰宅する人は、周辺の住民に気を使ってしまいます。
ハイブリッドカーの場合は、エンジンをかけたときも非常に静かで大きな音がなりません。
低速走行の場合、一定時間はガソリンエンジンを使わずに走行する事が出来る場合もあり、閑静な住宅街に住んでいる人にはありがたい作りです。
デメリット
ここまではハイブリッドカーのメリットについて紹介してきましたが、良い面ばかりではなく、デメリットも存在します。ハイブリッドカーのデメリットについてまとめていきます。
車両価格が高い
まず一つ目は価格が高いということです。
一般的なガソリン車に比べて、ハイブリッドカーの購入価格は中古車であっても割高です。購入してしまえばガソリン代は安くなりますが、初期投資が高くつくというイメージです。
その分、買い替えなどで売る場合も価格は高くなるので、とらえ方によってはデメリットに感じない人もいるかもしれません。
バッテリーの交換費用がかかる
次はバッテリーについてです。ハイブリッドカーの仕組みは前途の通りですが、バッテリーに充電された電気が走行をサポートしています。
そのため、エンジンの負荷は軽くなる一方で、バッテリーは酷使してしまいます。
もっとも、最新車種であれば一般的な使用環境であれば駆動用バッテリーの交換はほぼ必要ないほどになっています。よっぽど酷使した場合はかなりの交換費用が掛かるため、デメリットと言えるかもしれません。
走行音が少ない
そして、走行音が少ないのも場合によってはデメリットになります。理由は、車の走行に歩行者等が気がつかないからです。
車イコールエンジン音のイメージは強く、高齢者であればあるほどその傾向は強くなります。
メーカーでも危険性は問題視されており、最近のハイブリッドカーであれば一定速度以下になると、音が出来るしくみが装備されています。
他にも、ハイブリッドカーであっても走行環境によってはガソリン車と燃費があまり変わらない場合もありますし、動力源が複数あることで、車内スペースが若干狭いなどの問題もあります。
まとめ
ハイブリッドカーとは、基本的に燃費が良く環境に配慮された次世代の車と言える存在です。
一方で、音が静かなどのメリットも、場合によってはデメリットに変わってしまう等、特徴を理解しておく必要があります。
利用環境に合わせて、自分に合ったハイブリッドカーを選びましょう。