マツダというとロータリーエンジンが大きな特徴になっており、1967年に発売されたコスモスポーツから45年の長きにわたって、市場に投入してきました。
マツダでロータリーエンジンを搭載している車は、2012年にいったん生産終了しました。
2020年現在、最後に生産されたロータリーエンジン搭載の車が今回紹介するRX-8です。
RX-8の特徴
RX-8の特徴として無視できないのは、やはりロータリーエンジンです。
MSP-REというNA使用のロータリーエンジンで、8500回転し250馬力を発揮することができます。これは市販車に搭載されているNAロータリーエンジンの中では、史上最強の出力です。スポーティでパワフルな走りを堪能できます。
しかもロータリーエンジンでこれまで課題とされていた、低速トルクや燃費が大きく改善されました。高回転までスムーズに立ち上がっていくので、ロータリーエンジンここに極まれりという評価を受けているほどです。
観音開き4ドアもRX-8の大きな特徴です。大人4人が乗ることができるパッケージになっています。
これはアメリカの保険の関係があったようです。フォードから4ドアを絶対条件として提示されていたこともあって、このようなレイアウトになりました。
しかし従来の4ドアでは重量が増してしまうため、ロータリースポーツの軽快さが半減してしまいます。そこで前後ドアを観音開きにすることで、重量をそれほど出さずに4ドアの条件をクリアしました。
歴史
RX-8は2003年に販売が開始され、プラットフォームはFE型といい、マツダ・FプラットフォームをFD3Sから引き継ぐ形式をとりました。しかし実際にはロータリースポーツの新規車種として開発されました。
エンジンについても13B型で形式は従来のものを引き継いでいます。しかし、実際には全くの新設計のものが採用されています。
フルモデルチェンジは行われませんでしたが、何度かマイナーモデルチェンジは行われています。
例えば2006年には従来の4ATを6ATに変更しました。こうすることで加速がスムーズになり、変則によるショックが軽減されています。
2009年にはレインセンサーワイパーやオートライトシステム、撥水機能、アドバンスキーレスエントリー&スタートシステムが標準装備化されました。
しかし2012年6月22日を最後に生産終了し、これで2020年現在、マツダの車のラインナップでロータリーエンジンを搭載されている車はなくなりました。
ところが、マツダではロータリーエンジンの研究開発自体は継続しているという話もあります。
RX-8の燃費
RX-8の燃費はカタログ値で見ると、JC10・15でリッターあたり9.4kmです。
しかし実燃費に関する口コミもインターネット上でいろいろと投稿されています。その中を見ると、市街地のようなストップ・アンド・ゴーが多いような地域で走行する場合には、燃費は若干下がります。大体7〜8km程度が相場のようです。
しかし郊外や高速道路を走行する際には、カタログ値よりも良い場合も珍しくありません。
状況によってはリッターあたり10kmを超えるような数値をたたき出すこともあるといわれています。平均すると9kmちょっとというのが相場で、カタログ値とあまり大きく変わりません。
デザイン
エクステリア
マツダのスポーツカーには「アレスティックテンション」というコンセプトがあります。日本語に訳すと「緊張感と躍動感の両立」という意味合いです。
この伝統的なコンセプトがRX-8には見事に引き継がれています。車に関する知識を持っている人なら、マツダの車だと一目見ればわかるようなエクステリアをしています。
先ほども見たように観音開きのドアがエクステリアの中でも特徴的です。後部ドアにはビルトインBピラーが仕込まれています。
観音開きだと開口部がどうしても広くなります。しかしBピラーを設置することでボディ剛性を失われないような構造にしています。
このような構造はほかの自動車メーカーでも採用されるなど、先駆け的存在になりました。
インテリア
インテリアについてはスタイリッシュで都会的なデザイン、その一方で気品を感じさせてくれる仕上がりになりました。大人が乗っていても違和感ないような落ち着きです。
インパネからセンターコンソール、リアエンドにかけて、一連の流れを感じさせてくれます。ダイナミックなテイストも含まれていて、快適な車内空間を作り出しています。
RX-8のインテリアは機能性を重視した作りです。たとえばメーター周りを高めのフロアコンソールにしています。
またメーター類に関してもシンプルなデザインにまとめられています。これはドライバーが機器類からすぐに情報を把握できるように配慮しているからでしょう。
全体的にスポーティでクールな印象で、スイッチ類などには少し古風さも感じられます。