ダイハツでは今までいろいろな車種を販売してきました。その中でも軽自動車のロングセラーになったのが、ミラでした。
実に40年近くにわたって販売され、クオーレやクラシック、カスタムなど派生車種など、ミラシリーズは多種多様にわたります。
当初はハッチバック型軽自動車でしたが、末期は軽セミトールワゴンに近い車が製造・販売されていました。
ミラの特徴
ミラは軽自動車でありながら、装備が豪華なところが特徴の一つです。
パワステやパワーウィンドウ、エアコン、サンルームのような装備が搭載されていました。これは経済性重視の当時の軽自動車の中では異色の存在で、リーズナブルな価格の割には多機能だということで、順調に発売当初からセールスを伸ばしていきました。
軽自動車というと、とりあえず走ればいいという感じがありました。しかし、ミラは軽自動車でありながら、スポーティな走りができるということで人気を博しました。
例えば、インタークーラーターボやフルエアロを搭載したモデルなども投入されたことがあります。軽自動車とは思えないようなパワフルな走りのできる車種も見られます。
歴史
ミラが発売されたのは1980年のことです。
当初は「ミラ・クオーレ」という名称で発売されました。当時、ダイハツで販売していたクオーレという軽自動車の商用車バージョンという立ち位置でした。
軽自動車というと、ダイハツのミラとスズキのアルトはツートップと称され、両者の売り上げ争いは苛烈なものでした。そんな中、1991年には28万6975台という、日本国内における通年販売台数の最多記録を樹立したのです。
ミラは軽自動車業界をリードし続けた車種でした。1990年には3代目モデルを投入したのですが、その中にアヴァンツァートというグレードが新たにラインナップされました。
内外装から装備に至るまでグレードアップをし、軽自動車の範疇を超えたと評されたほどです。
ラリー仕様車を製造したのもこの時です。1992年の全日本ラリー選手権では、Aクラスのチャンピオンを獲得しています。
2018年ミラとミラバンの販売終了に伴い、38年にわたって販売されてきたミラシリーズはその歴史に幕を閉じました。これで、ダイハツの車のラインナップから軽ボンネットバンも姿を消すことになりました。
ミラの燃費
ミラは、燃費に優れた車種というのも人気の理由でした。
ミラのカタログ値を見ると、JC08モードでリッター当たり24.2kmです。これは、ライバル社のスズキ・アルトよりも一段劣ります。アルトのカタログ値を見てみると、同じJC08モードで37.0kmです。
両者の違いですが、アルトの方が重量が100kg軽く、アイドリングストップシステムを搭載しているからです。
しかし、ミラも軽自動車全体で見れば、十分高い燃費を記録していると言えます。
アイドリングストップシステムは搭載されていないものの、搭載されているDOHCエンジンは燃焼効率に優れています。可変バルブタイミング機構なども採用して、できるだけ無駄に燃料を消費しないような仕組みになっています。
さらに、エンジンやトランスミッションなどにより、フリクションロスの低減を徹底しています。
ダイハツがこれまでに培ってきた基本技術を駆使したことで、高い燃費の数値を出すことに成功しました。
デザイン
エクステリア
ミラのエクステリアを見てみると、全体的にどっしりとした安定感のあるフォルムをしています。
特に、フロントからサイドにかけての部分を見てみると、塊感を持たせています。その結果、全体的にダイナミックで、躍動感あるデザインにまとまっています。
軽自動車の割にはホイールベースを長めにしています。しかし、フェンダーからのラインを流れるような感じに仕上げて、もっさりした感じはありません。
フロントフェイスは、コンパクトでシュッと締まった感じです。フロントグリルやバンパーを曲線にすることで、流れるようなラインにまとまっています。
全体的に統一感があって、長年乗り続けても決して飽きの来ないデザインです。
インテリア
インテリアについては、全般的に明るめのトーンで統一されているのが大きな特徴です。若者が運転していても決して違和感がありません。
インテリアの特徴として、ハイコントラストツートーンインパネが挙げられます。
メーターパネルを起点にいて、ツートーンカラーが放射状に延びていくようなパッケージです。しかも、左右非対称なデザインで遊びを持たせています。
従来と比較して、室内を幅広にしているのも特徴の一つです。このため、実際よりもスペースが広く、余裕のある印象を持たせてくれます。
インパネは操作性の良さを追求した仕様です。液晶ディスプレイは大きく見やすいですし、操作ボタンも大きめに設計されています。運転中視線を落とすことなく操作できるので、安全運転できる車を探している人にもおすすめです。