BMWの自動車は全体的に価格が高めで、購入に二の足を踏みがちです。ただ、同じBMWが手掛けている自動車でも価格の差はだいぶあり、まだお手頃な車種も存在します。
現在のところ、BMWの自動車の中でエントリーモデルとしての役割を担っているのが1シリーズです。
エントリーモデルのような存在とは言え、現行の1シリーズの新車価格は最も安い118iで337万円なので、手を出しづらいのは確かだと思います。しかし、500万円以上の車種が当たり前のように存在しているBMWのラインナップの中では、かなりお手頃な価格です。
今回は、初めてのBMWに向いている1シリーズについて、燃費やデザイン、乗り心地などをくわしく解説していきます。
1シリーズの特徴について
まずは1シリーズの乗り心地ですが、エントリーモデルとしては十分過ぎるほどの快適さです。
特にコーナリングには強いという印象ですが、これはタイヤスリップ・コントロール・システムのお陰だと推測します。
BMWの車種のうち、日本で初めてタイヤスリップ・コントロール・システムが搭載されたのが現行の1シリーズで、自動でスリップを抑える働きをしてくれる便利な存在です。
他にも安定のための工夫は凝らされているはずですが、そのお陰か狙い通りにコーナーを曲がれるのは気持ちいいものです。
1シリーズはヨーロッパでCセグメントに分類され、Cセグメントは少し大きめなコンパクトカーが属しています。
激戦区のCセグメントの中で、1シリーズは唯一のFR車というアピールポイントがありましたが、現行の1シリーズはFF車として登場しました。FF車に変わったことで1シリーズはトランクも広くなり、より快適さがアップしています。
車体がさほど大きくない分、駐車場のサイズ制限に引っかかりにくい点も大きな魅力です。
1シリーズの歴史をチェック
1シリーズの初代が登場したのは2004年のことで、BMWの車種の中では割と新しい部類です。
そのルーツはBMWの中でも特に名前が知られている3シリーズにあり、3代目の3シリーズでE36コンパクトというモデルが登場しました。3シリーズの大型化、それに伴う新車価格の上昇から、エントリーモデルとしての役目を期待されてE36コンパクトが生まれたのです。
4代目の3シリーズでもE46コンパクトが登場しましたが、このエントリーモデルは5代目には引き継がれず、2004年に1シリーズとして独立しました。
先にも書いたように、一般的なCセグメントの車種がFF車であるのに対し、1シリーズはFR車として走行性能を重視しました。
初代、そして2011年に登場した2代目まではFR車として奮闘していましたが、2019年に登場した現行の3代目はFF車として世に出ています。
1シリーズの燃費事情
自動車を購入する上で気になるのが燃費ですが、1シリーズは2代目の時点でカタログスペック上の燃費が12.5km/Lから22.2km/Lと、悪くはありませんでした。
現行の3代目の1シリーズはカタログスペック上の燃費が13.6km/Lから22.9km/Lなので、フルモデルチェンジで燃費が大幅によくなったわけではありません。
各種グレードのうち「M135i xドライブ 4WD」だけが燃費で13.6km/Lを記録しており、Cセグメントの自動車としてはやや心もとないかなと感じる数字です。
ただし、この「M135i xドライブ 4WD」を除けば現状は全グレードで16.8km/L以上の数字ですし、22.9km/Lを記録している「118d プレイ ディーゼルターボ」などのグレードもあります。
1シリーズは、一部のグレードでやや燃費面での不安があるものの、全体的にはCセグメントの自動車らしく燃費はよい感じです。エントリーモデルなので価格もBMWの中ではお手頃ですし、燃費もよいので狙い目ではないかと思います。
デザイン
エクステリア
個人的な感覚ですが、現行の1シリーズのエクステリアは全体的に柔らかい印象が強めです。
他のBMWの車種と比べると小さめなことも影響しているのだと思いますが、どこか中性的なスマートさを感じます。
ただし、ところどころではBMWの力強さのようなものも感じられ、代表的なのはBMWで定番のキドニーグリルです。現行の1シリーズのキドニーグリルは左右がつながっており、かつ大型で非常に目立っています。
また、エキゾーストテールパイプも同様に存在感を発揮していますが、全体的に見るとすっきりとした印象です。
インテリア
現行の1シリーズのインテリアで注目したいのはコントロールディスプレイやメーターパネルのディスプレイで、先進性を強く感じられます。
ワイヤレス充電が全グレードで装備されていて、Qi対応のスマートフォンなどを充電できるのもうれしいポイントです。
また、現行の1シリーズはコンパクトながら空間を広く使っており、窮屈さは感じられません。最先端の技術を取り入れつつ、かつリラックスできる空間を作り上げたバランス感覚がすごいと思います。
容量も2代目からだいぶ増しており、多くの荷物を詰めて移動する場合には力を発揮してくれるはずです。