残価設定ローンとは?メリット・デメリットをご紹介

calendar_today 2020/06/09  refresh 2021/03/03

残価設定ローンとは?メリット・デメリットをご紹介

カーディーラーのチラシや新聞広告でよく見かける「残価設定ローン」。

購入価格全額をローンで支払うよりもお得に見えるため、残価設定ローンを組むか、全額をローンで購入するか迷っている人もいることでしょう。

残価設定ローンのメリットとデメリットを理解しておけば、判断の際に役立つはずです。

残価設定ローンとは

残価設定ローンというのは、車両本体価格をローン支払い部分と、ローン返済終了時の残価の部分に分けて支払うローンのことを指します。

例えば、3年間ローンを支払った後の残価を設定すると、残価分はローンに含まれず車両本体代金から差し引かれるため、毎月のローン支払額は少なくなります。

支払期間が満了すると、車を返却するか再びローンを組むまたは現金一括で残価を返済するか方法を選べます

例えば3年間ローンを支払った後、新たに発売されたモデルが欲しくなったらそのまま車を返却して新たな車を購入することができます。

逆に、すでに車を気に入っていてこれからも乗り続けたいなら新たにローンを組むなどして乗り続けることも可能です。

残価設定ローンにするかどうかは、購入者が自分で決めることになります。

一般的なローン以外の新たな購入方法が自身のライフスタイルに合わせて選べるというのは、消費者にとって嬉しいことではないでしょうか。

残価設定ローンのメリット

残価設定ローンにはいくつかのメリットがあります。

  1. 支払額を抑えられる
  2. 残価は固定されている

メリットその1:支払額を抑えられる

残価設定ローンはあらかじめ契約時に車のリセールバリュー(再売却価格)を設定し、その分を本体代金から差し引いてローンを組む支払い方法です。

例えば車両本体価格が300万円の自動車を購入する場合について考えてみましょう。

本体価格は300万円ですが、残価設定ローンの期間を3年にして、3年後のリセールバリューを算定してもらいます。

3年後のリセールバリューが180万円だとすると、ローン元金は120万円になります。つまり180万円は支払う必要がないため、その分支払額が抑えられます。

支払額を抑えられるので、これまでほしかったけど値段が高くて手が届かなかった車を購入することができるかもしれません。ワンランク上のグレードやタイプを選ぶこともできるので、その分選択肢が広がります。

メリットその2:残価は固定されている

車のリセールバリューは時間が経つと減少します。これはどの車にも言えることですが、購入し納車した時点で価値は新車価格と同じではなくなります。

これが3年もしくは5年経過するとその価値はさらに低くなります。さらに傷やヘコミ、ボディカラー、装備、グレードによっても価値が変わります。

ところが残価設定ローンはあらかじめ設定された残価が変化することはありません

3年後の市場評価額が下落したとしても、設定された残価は変わらないので、その分だけ得することもあります。5年後になると、価値はさらに低下しますが、残価設定ローンで契約時に定めた残価は変わらないのです。

車を数年乗ってから代替えをする場合、下取り価格の安さにがっかりしてしまった、という経験をお持ちの方は多いと思います。

ところが残価設定ローンならローン期間満了時の価格があらかじめ決まっているので、がっかりすることはまずありません。

残価設定ローンのデメリット

残価設定ローンにもデメリットはあります。メリットと合わせて考えて契約することをおすすめします。

  1. 金利が高めに設定されている
  2. 走行距離の制限がある&追加費用の可能性がある

デメリットその1:金利が高め

毎月の返済時の負担は軽いのですが、金利が通常のローンよりも高めに設定されることが多いので、その分余計に負担がかかります。

これは3年〜5年という期間を設定するためなので仕方がないことですが、通常よりも高いことが多いです。

残価設定ローンを組む際は、返却時の買取価格の他に金利についても計算しておくことをおすすめします。通常のローンと比較し、支払総額を見て決定すると良いでしょう。

デメリットその2:走行距離の制限と追加費用

残価設定ローンを組んだ自動車は月間走行距離が決められており一定距離を超えてしまわないように運転する必要があります。

通勤で使用したり、普段から走行距離が多かったりする場合は不向きかもしれません。

自損事故や交通事故で修理をすることになった場合、例えば修復歴ありの状態や廃車になると、残価設定ローンの買取価格が減額されたり、ローンが残ったりしてしまう可能性があります。

廃車の場合は間違いなくローンが残ってしまうのと、廃車時の残金を一括で支払うことになるケースもあります。

残価設定ローンが適したケース

このように残価設定ローンには支払額を抑えられる一方で、金利が高かったり、場合によっては追加費用の可能性があったりします。

どういう人が残価設定ローンが適している、向いているかというと……、

  • 毎月の出費を抑えたい人
  • 定期的に新車に乗り換える人

利息が高いとはいえ、残価設定のおかげで借入金額を抑えられるので、結果的に月々の支払額は抑えられます。ですから、毎月の支出を抑えたい人は検討してみてもよいでしょう。

3年ほどのスパンで買い換える人にも向いているかもしれません。

ローンの支払満了時に買い取りを考えると、設定した残価と市場価格の差によって得も損もする可能性があります。

もともと定期的に乗り換える人であれば、残価と市場価格の差は関係なく単純にローンの支払期間で車を使用するのにかかる費用ととらえられるからです。

まとめ

残価設定ローンについて、メリットとデメリットを中心に説明しました。

残価設定ローンは毎月の負担額が少なく済むので、コストを重視する人には向いている支払方法と言えますが、自分に合っているかどうかを客観的に見て判断することが大事です。

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