自社ローンとは?メリット・デメリットを解説

calendar_today 2020/09/01  refresh 2021/03/03

自社ローンとは?メリット・デメリットを解説

一般的にローンを組んで車を購入する場合、銀行や信販会社のローンを利用することになります。いわゆるマイカーローン(自動車ローン)です。

一方で中古車販売店などが独自に用意している自社ローンと呼ばれるものもあります。

自動車ローンは銀行や信販会社の審査に通りづらい人にとって大きな選択肢ですが、デメリットやリスクも小さくありません。

メリットとデメリットをよく理解してから利用するかどうかを判断しましょう。

自社ローンとは?

自社ローンとは文字通り「会社が独自に用意しているローン」のことです。

自社ローンは通常、中古車販売店が用意しているローンのことを指して使われます。ほかにも独立性の高いディーラーが独自に提供しているローンを指して使われることもあります。

世間一般で言う「ローンで車を購入する」形は、マイカーローン(自動車ローン)を利用して車を購入することです。中古車販売店やディーラーでローンを組む場合でも、通常はマイカーローンを紹介してもらって利用することになります。これがです。

しかしこうした銀行や信販会社から融資を受けるローンの場合、審査をクリアできるかどうかといった問題が生じます。

とくに不安がない人にとっては気にならないかもしれませんが、事故歴がある方、または安定した収入がない、非正規の職業に就いている人にとってこれらのローンは必ずしも魅力的な選択肢とは言えない面もあるのです。

そんなときに自動車を販売している業者・店舗が独自に用意している自社ローンを利用することでスムーズに購入資金を調達できるようになるのです。

メリット

1.審査に通りやすい

ではこの自社ローンのメリットとは何か? まず繰り返しになりますが審査に通りやすい点が挙げられます。

車を販売している側が自らローンを提供するわけですから、当然融資して車を買ってもらった方がよいわけです。

せっかく自分たちの店で車を購入する気になっている人が「ローンを組めないから」といって購入を断念することを防ぐ。これは自社ローンのそもそもの目的といってもよいでしょう。

2.ローンの手続きが簡単になる

それからローンの手続きが簡単になる点も見逃せません。

通常の自動車ローンの場合は販売店の紹介を受けるか、もしくは自分で自動車ローンを契約して資金を調達することになります。ですから車の代金は販売店が決定し、融資額は申し込んだ銀行なり信販会社が行うことになります。

その結果手続きや交渉が面倒になるだけでなく、車の購入に必要な金額分の融資を受けられないといった問題が生じる可能性もあります。

しかし自社ローンの場合、当然自分たちの車を買ってもらうことを目的に融資を行うわけですから、そのような不都合なことは起こりにくくなります。

しかも車を売る人たちと資金を融資する人たちが同じですから、手続きだけでなく交渉も楽になります

「この金利ではちょっとご希望の額を融資するのは難しいですが、もう少し金利が高ければ大丈夫です」や、「この金利でわが社のローンを利用していただけるなら車の価格を少々値下げいたします」といった交渉へと展開していくケースも少なくありません。

3.利用しやすい金利設定になっている

自社ローンを展開している側は自動車を売ることをメインの目的にしています。

そのため、あまり金利を高く設定せずに利用しやすい環境で提供しているケースも見られます。ただし、この点は後述するデメリットの理由にもなります。

中には金利を設定せずに純粋な分割払いの形で自社ローンを提供しているケースもあります。

デメリット

デメリットとしては先ほどとは正反対、金利が高めになるケースも見られる点です。

何しろ金融業を専門としている業者が扱うローンではありませんから、資金力などの問題で低く金利を提供するのが難しい面もあります。

原則として金融業は資本規模が大きければ大きいほど万一の回収不能のリスクにも持ちこたえやすいため金利を低く抑えることができます。ですから自社ローンともなるとひとりでも回収不能に落ちってしまうと数台分の販売利益が吹っ飛んでしまう可能性も出てきます。

こうした事情からどうしても金利を高めに設定せざるを得ない面があるのです。

この点は審査が通りやすいメリットとも密接にかかわってくるでしょう。銀行や信販会社からの融資を受けにくい人が自社ローンで低い金利で融資を受けられるという考え方そのものに無理があるからです。

また注意したい点としては金利を低く設定する一方、車の代金を値引きしないなど結果的には負担が少々大きくなってしまう形での利用を求められるケースもあります。

まとめ

このように中古車販売店やディーラーが手掛けている自社ローンには「自動車を売ることを目的としているローン」ならではのメリットとデメリットが見られます。

銀行や信販会社の自動車ローンを利用しにくい人にとっては車を購入できる有力な選択肢になるのは間違いないでしょう。またローンと車の購入にかかわる面倒な手続きが少ないのも魅力です。

ただ自社ローンを提供している業者・店舗の規模や資金力によっては金利や返済期間などの点で使い勝手があまりよくない部分も出てきます。

このあたりはどのような経済状態で、どんな店で利用するかによって評価がかなり分かれる部分も出てくるでしょう。こうした点を考えると中古車販売店でもチェーン展開を手掛けている比較的規模の大きなところの自社ローンが使い勝手の点でもっとも適していると評価することもできそうです。

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