新車とは異なり、中古車には定価というものが存在しません。販売業者が市場の動向を見定めつつそれぞれの判断で値段を決定しています。
ですから、モデルの人気や需要に応じて販売価格はかなり変動します。また、ほぼすべての車種に関して中古車の販売価格が下がる時期もあります。
そのため、中古車をお得な値段で手に入れたいと考えている人は、中古車販売業者のルーティーンを知って、買う時期をよく見定めることが大切です。
中古車を買うのにおすすめの時期
その1:販売業者の決算期
決算の時期である3月と9月、および12月は、多くの業者が売り上げを伸ばすために値引きを行う傾向が見られます。
特に、ディーラーの中古車部門や、ディーラーと提携している中古車販売業者は、売り上げに応じて報奨金が支給されることが多く、多少の割引をしてでも売り上げの台数を伸ばしたいと考えているのです。
そのため、価格交渉にも関しても比較的親切に応じてくれることが少なくありません。
ただし、販売が好調でほとんど中古車の在庫がないという状態になると、値下げは難しくなります。ですから、「決算セール」といった広告が出されたなら、できるだけ早い時期に販売店を訪れるようにしましょう。
個人経営の中古車販売に関しては、ディーラーのキャンペーンと連動していないため、決算の時期だから価格を下げるということはあまり多くありません。
むしろ、市場の需要に応じた価格設定をしているため、人気の車種に関しては他の時期よりも高くなることもあります。ですから、買う時期としてさほどおすすめではありません。
その2:需要が下がる時期
買う時期としてよりおすすめなのは、需要が落ち込む4月および5月です。
4月からの新生活スタートに合わせて、3月は新車・中古車ともに需要が非常に大きくなります。その後、4月になって新たな年度が始まると、需要はひと段落となります。
一方で、中古車市場には3月に新車を購入するため下取りや売却手続きがされた中古車が大量に流れ込むため、供給が過剰になってしまうのです。
中古車販売業者としては、あまりに多くの在庫を抱えておくことはできませんから、ある程度値段を下げてでも売り払ってしまおうということなります。
こうした理由から、需要が落ち込む4月および5月は中古車を買う時期としてかなりおすすめです。
その3:自動車のモデルチェンジ後
自動車のフルモデルチェンジが行われると、旧型モデルのドライバーは新しいモデルへと乗り換えをするため、結果として多くの旧型モデルが中古車市場へと出回ることになります。
そのため、旧型モデルのは販売価格が下がるのです。
モデルチェンジから半年ほど過ぎると、展示車などを中心として新しいモデルの中古車も徐々に市場へ出回るようになります。そうなると、さらに旧型モデルの需要は下がるので、それが販売価格へと反映されて非常にお得な値段で販売されるようになるわけです。
マイナーチェンジに関しても、値段の下げ幅はやや縮小するものの、同様の傾向はみられていす。ですから、中古車として欲しいモデルが決まっているなら、モデルチェンジのタイミングを見逃さないようにしましょう。
中古車は時期以外の要素で大幅に値下がりすることもある
中古車の値段を左右する時期以外の要素として「為替相場」が挙げられます。
日本の中古車は中南米やアフリカを中心として高い人気を誇っており、90年代のモデルであっても50万円以上で取引されているというケースは珍しくありません。
ただし、為替相場が円高になると、輸出の利益が少なくなるため、中古車は国内市場に残りやすくなります。これが結果として過剰在庫につながり、中古車全体の販売価格を押し下げる結果となるのです。
ですから、為替が大きく円高に振れたときには中古車を買う時期としてかなり望ましいということを覚えておきましょう。
このほかに、景気の動向や販売業者の業績なども販売価格へ大きく影響します。
また、需要の高いモデルであっても、特定のカラーに関しては人気がなく、非常にお得な値段で販売されるというケースは珍しくありません。
加えて、新車登録からの経過年数によっても販売価格は大きく変化します。特に、10年を超える中古車は、人気のモデルであっても相当額の割引が期待できます。車検切れや事故歴の有無なども同様に重要な要素です。
このように、大幅な割引が行われるのは、時期以外の要素が影響していることが多いという点を覚えておきましょう。
まとめ
中古車をお得に購入したいのであれば、需要よりも供給が多くなる時期を狙うのがポイントです。
とはいえ、そのタイミングで探しているモデルが必ず大幅に値下がりするとは限りません。また、人気のあるカラーに関しては販売価格が高止まりするというケースもあります。
ですから、中古車検索サイトなどを活用しながら、根気強く丁寧に探していくことが大切です。