2017年の春にフルモデルチェンジで再デビューしたメルセデス・ベンツEクラスクーペは、2020年9月10日に、ビッグマイナーチェンジを引っ提げて日本へ上陸しました。
世界が認めるエグゼクティブ・スポーツクーペの最高峰とも呼べるニューEクラスは、先代をよりダイナミックに、そしてエレガントに進化したベンツの主力モデルに恥じないクルマに仕上がっています。
もちろん、走りを極めたスポーティなドライビングテイストにも磨きがかかり、AIコントロールで次世代的な快適ドライブも見逃せません。
今回はEクラスクーペの魅力やずば抜けたスペック、燃費などについて確認していきます。
Eクラスクーペの特徴
Eクラスクーペは、累計1400万台を越えるビッグセールを誇るメルセデス・ベンツのスポーティモデルです。それだけに、Eクラスクーペの再デビューは世界中で称賛を受けましたし、今回のマイナーチェンジはメルセデスファン待望のニュースとなりました。
このマイナーチェンジでのトピックスは、まず何より日本人ドライバーが初めて経験する、AR(拡張現実)ナビゲーション採用のMBUX画搭載されていることです。
ARとは、走行前方の風景がそのままナビ画面にビジュアル化され、道路上に進路を示す矢印が表示されるシステムです。
コックピットにビルトインされるのは2台の12.3インチの大型ワイドスクリーンです。対話型インフォ機能・MBUXはAIサポートで最善のドライブ環境を提供し、クルージング補助も、危険回避操作も安心のインテリジェントドライブ機能、それからステアリング操作をアシストしたり、車庫入れサポートする機能など、革新的ユーザーインターフェースが搭載されています。
リリースされたグレードは、ガソリンターボのE200系とディーゼルターボのE220d系、プラグインHVのE350e系とE350de系、ISG搭載の450系です。なお、AMGモデルも追加されていますので、計6バージョンのパワーユニットが用意されています。
Eクラスクーペの歴史
初代(1985年-1995年、-1993年・ミディアムクラス)
W123の後継モデルとして、W124がEクラスコードを名乗ってリリースされました。
4ドアセダンから6ドアリムジンまでバリエーションが豊富で、2ドアクーペ・カブリオレがスポーティカーとしてエントリーしています。
クーペはボディデザインが斬新で、当時、最高レベルの0.29のCd値をクリアしたことは有名です。
2代目 E320クーペとカブリオレ(1993年-2002年)
10年ものロングヒットを受け継いで、2代目がリリースされました。
フロントマスクが先鋭的で、丸目の4灯ライトがトレードマークです。
サイド・エアバッグやASR・ESPが搭載された安全志向で、かつクーラータイプのコンソールボックスやフルオートエアコンなど、居住性にこだわったプレミアム性を追求したモデルです。
3代目 クーペのリリースはナシ(2002年-2009年)
4代目 E550・E350クーペ(2009年-2016年)
3代目Eクラスのときに、クーペのリリースはありませんでした。
4代目Eクラス クーペは、トレードマークの丸目4灯がやや変形し、不評を買ったために、マイナーチェンジで2灯式に改善されています。
また、リアフェンダーの変更も不評で元に戻されるなど、4代目はデザイン的に不調でした。でも、ナビゲーションと地デジ放送、ビデオが楽しめるCOMANDシステムの搭載など、快適ドライブ面で進化を遂げています。
5代目 E400・E250 カブリオレとクーペ(2016年-、2020年マイナーチェンジ)
フロントマスクの迫力が増し、スポーティで精悍な顔つきに変身しています。
特に、二重の眉のように流れるLEDコンビネーション式のヘッドライトはインパクトが強烈です。
高性能エンジン&9速A/TとAIアシストのドライビング機能、走ることのポテンシャルを追求し、ゴージャスな移動手段としての装備にあふれたクルマです。
Eクラスクーペの燃費
Eクラスクーペの燃費は上々の出来です。2.0L4気筒ターボチャージャーのエンジンで184PSを発揮するE200クーペのJC08モード燃費は13.9km/Lとハイスコアです。
なお、市街地の実走行でも10km/L前後をクリアしますので、不満の要素はありません。
ちなみに、E300クーペスポーツでは14.0km/L、E400・4MATICクーペスポーツでも10.7km/Lとあります。
Eクラスクーペのデザイン
エクステリア
新型E200スポーツ(BSG搭載モデル)を見ますと、先代のやや直線的なデザインから一転して、躍動感にあふれる流戦形をしたダイナミックなフォルムに変身しています。
特にフロントマスクは楕円の大型フロントグリルと左右に口角を張り出したロアグリルが精悍な表情を作っていて、しかも複合的な局面の複合によって生命感が宿っています。
それはボディ全体に表れているため、まるでヒョウやトラのように美しくも猛々しいスタイルを感じさせます。
インテリア
全体的にゴージャスでエレガントなインテリアに統一されていて、さすがメルセデスの高級車といった仕上がりです。
ただし、コックピットはスポーティで、ワクワク感がたまりません。
新世代の3本ツインスポークのステアリングが決まっていて、オールデジタルのインスツルメントに囲まれて、近未来カーを操る高揚感があります。