ファミリーカーという印象の強いカローラシリーズの中にあって、ユニークな特徴を持っているのが「カローラフィールダー」です。
カローラフィールダーの魅力
カローラフィールダーは荷室の使い勝手や積載量の多さなどの特徴で、ファミリー層だけでなく現場で働く職人などからも根強い人気を獲得しています。
インテリアとエクステリアはこだわりのデザインになっているため、事務用の商用バンという印象を受けることはありません。
ところが実用性が高いのです。後部座席を倒すことで、長さのある荷物も余裕で積み込むことができます。また、長距離運転をしても疲れにくいデザインのシートを採用している点も魅力。
このような「高い実用性」と「適度な遊び心とファッション性」を兼ね備えたモデルとして、発売開始以来安定した売り上げを誇っているのがこの「カローラフィールダー」なのです。
歴史
前身モデルのカローラワゴン(1982年~2002年)
カローラフィールダーの前身となったモデルは「カローラワゴン」です。
その歴史は数あるトヨタ車の中でも非常に古く、米国車の影響を色濃く映す初代モデルは1982年5月に発売されました。
1983年には1.8Lのディーゼルエンジン車がラインナップに加わり、力強い走りと荷室の広さで注目を浴びることとなります。
1987年に発売された2代目にもガソリン車とディーゼルエンジン車があり、主に商用車として幅広い人気を獲得します。この2代目からATモデルも販売されるようになりました。
1991年には3代目となるカローラワゴンが登場します。この時期にはステーションワゴンの人気が国内外で高まり、カローラワゴンも商用車としてではなく乗用車として自動車業界でシェアを拡張することになるのです。
初代(2000年~2006年)
そして2000年のフルモデルチェンジで満を持して登場したのが「カローラフィールダー」です。
内装・外装のデザインはより洗練されたものとなり、ワゴンとしての良さを残しつつ、より生活に密着した多様な使い方ができるモデルとしての地位を確立していきます。
1.5Lのガソリン車モデルに加えて、1.8Lの6速MTスポーツタイプ、および2.2Lのディーゼルエンジンタイプなど、ユニークな特徴を持つ多様なラインナップが用意されたことも、市場関係者から大いに歓迎されました。
爽やかなイメージのCMもイメージアップへ大きく貢献したことに疑問の余地はありません。
2代目(2006年=2012年)
2006年にフルモデルチェンジが行われ、2代目モデルが発表されました。
このモデルで際立っているのは、「ワンタッチ格納リヤシート」という画期的なシステムが導入されたことでしょう。これにより、荷室から車内後部座席部分までを瞬時にフルフラットな状態へ変化させることができます。
また、2009年と2010年に行われたマイナーチェンジにより、ガソリン車の中でもトップレベルの燃費を誇るモデルとなりました。
3代目(2012年~)
2012年に登場した現行の3代目モデルでは、ハッチバック部分を樹脂に切り替えるなどさらなる軽量化を実施します。
また、アイドリングストップ機能も搭載することで、数あるステーションワゴンの中でも屈指の低燃費を実現することになったのです。
そして、2013年6月には、ついにカローラフィールダーのハイブリッドモデルが発表され、33.0km/Lという低燃費で高い評価を得ています。
燃費
2012年5月に行われたフルモデルチェンジで発表された現行モデルには、2WDタイプと4WDタイプがあります。
2WDタイプのハイブリッドモデルは、JC08モードで34.4km/Lという燃費になっています。
一方、2WDのガソリン車は、JC08モードで17.6km/Lから23.0km/Lです。
4WDタイプは1.5Lエンジンを搭載したガソリン車のみ販売されており、燃費はJC08モードで18.4km/Lとなっています。
デザイン
エクステリア
カローラフィールダーのフロントはコンパクトなグリルと細めのバンパーがバランスよく配置されており、見る人にスマートな印象を与えます。
ワイドボディーは重心が低い設定されているため、安定感のある走りに大きく貢献していると言えるでしょう。
サイドやリア部分から見ると、流線型を意識した美しいボディーのフォルムがよく分かるはずです。
ボディーカラーバリエーションはホワイトやブルーメタリックなど4種類から選ぶことが可能です。
インテリア
インテリアはブラックを基調として非常にシンプルなデザインになっています。とはいえ、シフトレバーなど要所に艶のあるメッキが採用されているので、チープな印象を受けることはありません。
運転席と助手席の周りには、コンソールボックスやアッパーボックスなど、いくつもの収納スペースが準備されているのも嬉しいポイントと言えるでしょう。
ハッチバックを開けると、広々とした荷室があります。後部座席を倒すことで、最大容量872Lまで拡張することが可能です。
後部座席は便利な「6:4分割システム」を採用しています。片方だけを倒して縦に荷室を広げるなど、用途に応じたフレキシブルな使い方ができるのも、カローラフィールダーの強みということができるでしょう。