近年、エコへの意識の高まりから、車においても燃費の良い車種を選ぶ傾向が強くなっています。そんな中でいま多くの自動車に搭載されている機能がアイドリングストップです。
環境に配慮した性能を持つ車は、税金の面で優遇されているため、一気に普及が進んできました。
しかし、その一方でアイドリングストップに対して、良いイメージを持っていない人もおり、本当に環境や燃費に優しいのか多くの意見が出ています。
そんなアイドリングストップの性能や、仕組みなどについて解説していきます。
アイドリングストップの仕組みについて
アイドリングストップとはどういったものなのか簡単に説明すると、一時停止した時にエンジンが勝手に止まるというものです。
ブレーキを緩めるなどの動きによって、エンジンが再び動き出す様になっており、アクセルを踏めば通常通り走行ができるようになります。
ブレーキを踏んでいる間は、エンジンがストップし燃料を使わないことから、環境にも優しく燃費も良いという仕組みになっています。
心配なのは坂道で停止した場合ですが、アイドリングストップには、ブレーキアシスト機能が搭載されているケースも多く、坂道で停止したときでも安心して走行できるようになっています。
エンジンの再稼働についても、おおよそ0.3秒程度と早く、ブレーキだけでなくハンドルの動きで再稼働するハンドルアシスト機能もあるため、体感的にもタイムラグは短くなってきています。
アイドリングストップのメリット
そんなアイドリングストップですが、導入する事によるメリットは大きく分けて3つあります。
燃費が安くなる
一つ目はやはり燃費についてですね。一般道を走っていると、必ず信号での停止がありますが、通常はブレーキを踏んで停止していても、エンジンは稼働したままですし、もちろん燃料も消費されます。
アイドリングストップならエンジンが勝手に止まる訳ですからその分を単純に節約することが出来ます。
アイドリングストップの時間が長ければ長いほど節約量は大きくなりますので、日々の運転時間が長い人にはメリットが大きいのではないでしょうか。
環境への配慮ができる
二つ目は環境への配慮ができる点です。
アイドリングによって10分当たり二酸化炭素が約90グラム排出されるとされていますが、アイドリングストップ搭載車は単純にそれがありません。
地球温暖化の懸念が高まる中で、多くの車に搭載される事によって、その効果は高まっていきます。
静音性が高まる
三つめは静音性が高まるという事です。
エンジン音は騒音の原因の一つにもありますが、アイドリングストップ搭載車は停止中の音がなりません。
閑静な住宅街などにおいては、前途の排ガスもそうですが、メリットが大きいと言えるでしょう。
アイドリングストップのデメリット
複数のメリットがあるアイドリングストップですが、構造上の問題からデメリットも存在します。
バッテリーの消耗が激しくなる
まず一つ目はバッテリーについてです。一時停止によりエンジンが止まったり稼働したりを繰り返すことで、バッテリーの消耗が激しくなります。
そのため、アイドリングストップ搭載車の自動車は、容量が大きいバッテリーを積んでいます。バッテリーの価格自体も割高ですし、交換頻度も高くなるでしょう。
エアコンも止まる(一部の車種)
また、アイドリングストップ中はエアコンも止まってしまいます。とくに炎天下の中で、車で休憩といった場面ではデメリットは大きいです。
最近の車種では、短時間であればバッテリーでエアコン稼働できるものもありますが、結局はバッテリーに負荷がかかる事に変わりはありません。
バッテリー以外の部品にも負荷がかかる
エンジンをつけたり、止めたりする仕組みはバッテリー以外の部品にも負荷がかかります。
周辺のゴム製部品、タイミングベルトなどは、交換頻度が高まる可能性があります。
燃費が安くなる反面、それ以外の部分で費用が掛かる可能性があるのです。
アイドリングストップは必要?
ここまでメリット、デメリットを見てきましたが、それらを踏まえて本当にアイドリングストップは必要なのでしょうか。
それに関しては、利用する人の環境次第と言えるでしょう。
燃費に関しても、安くなることは間違いありませんが、環境省が出した試算、一時間のアイドリングストップの恩恵が受けられるのは、運転が日常的な仕事であるタクシー運転手、配送業者などに限られます。
一般的な利用者の場合、年間を通しても数千円安くなるかといったところです。ただし、環境に配慮でき、燃費が優れていることには間違いありません。
状況に応じてアイドリングストップもオン、オフの切り替えが可能なので、状況に応じて利用するのが良いのではないでしょうか。
まとめ
ここまで解説をしてきましたが、アイドリングストップとは、結論を言ってしまうと、燃費面に関して過剰に期待しすぎなければ、おススメの機能だと言えます。
環境への配慮ができる点は間違いありません。バッテリーの消耗に配慮しながら、利用環境に応じて機能のオン、オフの切り替えなどもうまく使うようにしましょう。