1991年から販売が開始され、ミッドシップのオープンカーでミッションはマニュアルのみ、という通好みの車で、非常に人気のある車でした。
2020年現在では販売が終了していますが、そんなビートについての情報をレポートします。
ビートの特徴
ホンダ ビートは軽自動車ながらミッドシップエンジンでフルオープンのモノコックボディという、走りに割り切った車となっています。
サスペンションも4輪独立懸架のストラット式を採用、制動には4輪ともディスクブレーキを採用、パワーステアリングは非採用など、車好き、走り好きの方は聞いているだけで楽しくなってくるような車となっていました。
660ccという排気量でそれほどパワーはありませんが、規格上限の64馬力を発揮、それでも小パワーではありますが、その分エンジンを回して楽しく走ることができる車となっています。
ラインナップとしては660ccの3気筒エンジン搭載モデル1種類となっています。バブルの頃の余裕のあった日本であったからこそ販売できた、今では考えられないような面白みのある車となっていました。
1996年に販売が終了してから後継車はしばらく現れませんでしたが、2015年からS660という軽スポーツカーが販売されています。
販売から時間が経っており、今から入手する場合は車の状態が良いものを探すのが大変だと思います。しかし人気のある車ですので修理や対策のノウハウを持ったショップも多く、ホンダから補修部品の販売も再開されていますので、情熱さえあれば修理し楽しく乗ることができます。
歴史
ホンダ ビートは1991年の5月に販売が開始されました。
追加装備が施された特別仕様車、バージョン違いが随時販売されています。1992年2月にはバージョンFが発売され、1992年5月にはバージョンCが販売されました。1993年12月にはバージョンZが販売開始され、以降は全てのモデルがバージョンZとなっています。
その後1995年の10月に生産が終了となり、1996年12月に販売が終了しています。
非常に人気のあったモデルで長く乗り続けている方も多く、販売終了から10年以上たった2017年には一部純正部品、消耗品の再生産、再販がされています。尚、1991年の8月に亡くなった本田宗一郎氏が、最後に見送った車となっています。
ビートの燃費
ホンダ ビートの燃費は10・15モードで17.2km/Lとなっています。
10・15モードは現在では使われておらず、実燃費との乖離も大きいのですが、ホンダ ビートは実燃費としても15km/L程度は走るということです。
車重が軽量かつ3気筒の軽自動車ですので、燃費については非常に良い車です。
デザイン
エクステリア
小柄ながらスパルタン、かつすっきりしたデザインで評価は高いです。
前後で大きさの異なるタイヤが、こだわりと走りを予感させます。幌をあけてオープンにした際のデザインはまた格別で、デザインのまとまりと開放感を感じます。
現在では発売から時間が経っており、塗装がくたびれた車が多くなっていますが、塗りなおすことも可能です。幌も経年で劣化していきますが、こちらもパーツ入手は可能となっています。
エクステリアデザインが個性的なので、信号待ちでじろじろ見られる、という口コミもありました。
インテリア
コクピット周りは樹脂が多用されていて、それほど高級感はありません。しかしメーター類はしっかり装備されており、見やすい位置に配置されています。
収納はほぼ無く、オプションでリアトランクの上に荷物をつめるようなキャリアが販売されていました。2人での長期旅行どころか1人での旅行も、パッキングには頭を使わなければなりません。
カーオーディオはDIN規格では無く、乗せ買えが大変ですが、純正でも速度にあわせて音量を自動で変えてくれる、という機能が搭載されています。ミッドシップですので、幌を閉めた際は室内にエンジン音が大きく響きますが、これはエンジン音も楽しむ車です。窓を開けると多少は解消します。
シートは経年で破れやすく、中古で購入する場合は注意が必要ですが、この車のシート修理を得意としているお店も存在しています。
シート他社製品に交換する場合は、車によってステーにばらつきがあるので位置調整が難しくなっています。現物あわせとなりますので、根気良くあわせてください。
乗り心地はそれほど良くありませんが、路面の状況がつかみやすいサスセッティングとなっています。あまりにも乗り心地が悪い場合は、サスペンションが壊れていることも考えられますので、一度ディーラーに見てもらうことをおすすめします。
また、社外品のサスペンションも販売されていますので、お好みで選ぶことも可能です。やはり車高を調整できる機能付きのサスペンションが売れています。